岡田 いきなり152キロ 剛腕復活間近 今年初の実戦で2回0封!!
「広島紅白戦、白組0-1紅組」(16日、コザしんきんスタジアム)
広島の沖縄キャンプが16日スタートし、岡田明丈投手(24)が今季初の実戦となる紅白戦に登板。2回を2安打無失点に抑え、最速152キロをはじき出した。昨季はプロ初の2桁勝利を挙げながらシーズン後半に失速するなど苦い経験も味わった。体が突っ込んでしまう課題を克服するため、キャンプから体の軸を意識。壁を乗り越え、今季こそ1年間、先発ローテを守り抜く。
最高気温24度の沖縄の地で、岡田の剛腕がうなりを上げた。1イニング目の三回、1死から連打と四球で満塁のピンチ。昨季リーグMVPの3番丸を打席に迎え、「しっかり腕を振っていこう」と気持ちを奮い立たせた。直球でグイグイ押し込み、フォークで見逃し三振に。バティスタに対しては152キロを計測。最速155キロ右腕が本領を発揮し、一ゴロに打ち取った。
「最初のイニングは力んでしまって、思い通りの球ではなかったけど、2イニング目に修正できました。しっかり自分のタイミングで投げられたボールは良かったと思います」
トレードマークの柔らかい笑みが手応えの証しだ。本人が振り返ったように四回の投球は圧巻だった。先頭の下水流は147キロで空振り三振、続く庄司は一ゴロ、最後は会沢の打球を自らのグラブに収め、南国のファンの声援を全身に浴びた。
今季初の実戦登板で、復活を印象づけた。昨季はプロ初の2桁となる12勝(5敗)を挙げたが、シーズン後半に失速。好投をしていても、いきなり制球を乱してしまう悪癖を解消できず、CSの先発ローテからも漏れた。オフは真正面から課題と向き合い、安定感を追求。脱力投球を意識する中で、1つの答えを導き出した。
「キャンプから軸を意識してきた。悪い癖は力んで前に突っ込んで、頭の位置が出てしまう。今日はそこに気付けて修正できた」
右腕が見せた復調の兆しに他球団のスコアラーも警戒を強めた。阪神・飯田スコアラーが「球の質がいい。スピードガンの近くで見ていたけど初速と終速の差がなかった」と舌を巻くと、巨人・山本スコアラーも「あれで精度が出てきたら、なかなか難しい。あの真っすぐで変化球を投げられたらね」とうなった。
岡田が昨季前半のような姿を取り戻せば、リーグ3連覇へグッと近づく。「昨年できなかったので、1年間しっかりローテを守りたい。安定感を求めていけたらいいと思う」。剛腕の復活は間近だ。