ドラ1・中村奨、本拠地2安打デビュー 緒方監督ベタ褒め「たいしたもの」
「プロアマ交流戦、広島6-0社会人オール広島」(7日、マツダスタジアム)
広島のドラフト1位・中村奨成捕手(18)=広陵=が7日、本拠地デビューをマルチ安打で飾った。マツダスタジアムで行われた社会人オール広島とのプロアマ交流戦の六回、代打で出場し左前打。緒方監督も見つめる中で、3打数2安打とキラリと輝いた。早期の1軍昇格へ向けて、がむしゃらにアピールを続ける。
はつらつと存分に力を発揮した“本拠地デビュー”となった。主力を除く1軍に2軍選手も加わった一戦。集まった2992人の歓声を一身に受けた。マツダでのプレーは昨夏甲子園出場を決めた広島大会決勝以来で、プロでは初めて。1軍首脳陣の前でマルチ安打スタートと大物ぶりを示し、スッキリとした表情で振り返った。
「良かったです。少しアピールできたんじゃないかと思います。キャンプでもやってきたことを全て出そうと。(本拠地でのプレーは)そんなに変わらない。いつも通りでした」
視線をくぎ付けにしたのは六回。下水流の代打で打席に立つと、1ボールから左腕・河野の140キロ直球をはじき返し、三遊間を破る左前打。八回1死でも1ボールから右腕・宮地の141キロ直球を右翼線二塁打とした。「積極的にいくのが持ち味」。2安打ともファーストストライクを仕留め胸を張った。
2軍でじっくりと取り組んできたことが、身についてきたと実感している。春季キャンプ序盤とは違い、「力みが抜けるようになっている」と自己分析。2月後半は2軍キャンプで調整していた新井から「とにかくしっかり下半身を使う」ように助言され、バットを振り込んできた。
2月下旬から始まった対外試合では何度も快音を響かせ、3日の中日との教育リーグ開幕戦でも2安打を放つなど安定した結果を残す。見守った緒方監督も「シャープでいい振りをしている。2打席ともしっかりアジャストして打つのだから、たいしたもの」と目を細めた。
この日は自身が第一とする守備に就くことはなかったが、「捕ることに関しては良くなってる」と水本2軍監督。今後も強化選手として捕手の技術や打撃、筋力トレも含め、みっちり鍛え込まれる予定だ。
緒方監督に好印象を与えることに成功したが、目標の開幕1軍へ時間は限られている。「監督の前でアピールできる機会は少ないので、今日みたいにできる時にしていきたい」。一日も早く1軍選手として本拠地に戻ってくるためにも、輝きを放ち続けてみせる。