薮田、開幕ローテはく奪も また制球難…3者連続四球から押し出し
「オープン戦、オリックス12-2広島」(20日、ほっともっとフィールド神戸)
広島の薮田和樹投手(25)がオリックスとのオープン戦に先発し、3回2/3を5安打5四球6失点の大乱調でKO降板となった。四回は下位打線への3者連続四球をきっかけに走者をためて失点する最悪の内容。2試合連続で制球を乱し、試合をつくれなかった。試合後、緒方監督は次回の登板次第では、開幕ローテメンバーから外す可能性を示唆した。またチームは2-12で敗れ、オープン戦負け越しが決まった。
小雨が降る中、薮田は厳しい表情で帰りのバスへ歩を進めた。3回2/3を投げ5安打5四球6失点。悔いだけが残った内容、結果だ。四回に制球が乱れたがという報道陣の質問には「そうですね」と短く答える。先発としての責任を果たせなかった自分を責め続けた。
悪夢は四回1死からだった。7番・T-岡田への四球をきっかけに3者連続四球。2死満塁後、山足への直球が4球連続で外れた。「クイック(モーション)に安定感がなかった」と畝投手コーチ。まさかの押し出し四球に右腕が唇をかみしめた直後、緒方監督がベンチを立ち交代を告げた。
初回から三者凡退は一度もなし。毎回のように走者を背負った。前回13日の日本ハム戦でも制球難から5回4安打6四死球5失点(自責点3)。同じ轍(てつ)を踏むまいと、この日は終始セットポジションから始動した。安定感をもたらそうとしたものの84球を投げ、ボール球は半分の42球を数えた。
緒方監督は試合後、苦しい胸のうちを明かした。「期待しているピッチャーだから」と前置きした上で、「2試合続けて同じことをやっている。これが現状の力。結果じゃなくて、内容を見せてくれないと考えるところに来ている」と、薮田の起用法について再考することを示唆した。
当初、薮田は開幕2カード目の初戦になる4月3日ヤクルト戦(神宮)での先発が決定的だった。だが、2試合連続で内容が伴わなかったことで、その構想に狂いが生じた。次回の登板次第では、昨季15勝3敗で勝率・833を残し最高勝率に輝いたタイトルホルダーが、開幕ローテから外れる可能性が出てきた。
次回は27日のウエスタン・ソフトバンク戦(由宇)での登板が予想される。中6日の調整期間中はフォームなどの修正を行っていく。薮田は「頑張ります」と言い、前を向いてバスへと乗り込んだ。昨季終了後から、今季をエースへの階段を上る1年目と位置づけてきた。開幕直前に大きな壁にぶつかったが、立ち止まるわけにはいかない。必ず乗り越えて、シーズンを通してローテーションを守り抜く。