カープ新井「話にならない」開幕アウトで自身に怒り…14年ぶり2軍スタート
広島は23日、新井貴浩内野手(41)が22日に広島市内の病院で「左腓腹(ひふく)筋挫傷」と診断されたと発表した。21日の練習中に痛め、全治は不明だが30日の開幕戦には間に合わず、今後は復帰へ向けて3軍でリハビリを重ねる。開幕2軍は2004年以来、14年ぶり2度目。この日マツダスタジアムに姿を見せたベテランが悔しさをにじませた。
無念さを隠せなかった。やや慎重な足取りでマツダスタジアムに現れた新井は「話にならないね」とこぼした。プロ20年目は04年以来、14年ぶり2度目の開幕2軍スタート。オフからここまで順調な仕上がりを見せていただけに、自身への怒り、ふがいなさをにじませた。
21日の練習中でダッシュを行っていた際に、左ふくらはぎを負傷。必勝祈願と全体練習を欠席した22日に広島市内の病院で検査を受け、この日「左腓腹(ひふく)筋挫傷」と発表された。
松原チーフトレーナーは遠征先の福岡で「比較的、損傷度が小さかったのが幸い」と話したが、開幕については「本人は責任感が強いので『いくぞ』という気持ちが強いが、シーズンは長い。しっかり治して戻ってもらうことが前提で、本人にも納得してもらってます」と説明。全治は不明だが、緒方監督は「しっかり治さないと」と話し、高ヘッドコーチも「開幕は無理でしょう。1カ月近くなるんじゃないかな」との見解を示した。
離脱がさらに長引くことだけは避けなければならない。新井自身、ふくらはぎの負傷は「初めて」と明かした。患部に多少の痛みがあるといい、現在は動きも制限されている。「再発しやすいところだし悪化しやすいところ。慎重にならざるを得ない。やりたいけどできないストレスはある」と唇をかみしめた。今後は3軍でリハビリを続け、2軍戦を経て1軍へ戻る予定だ。
リーグ3連覇を目指すチームにとっては大きな痛手だ。精神的支柱である上に、昨季は打率・292、9本塁打48打点という成績で、勝負強さも発揮した。今季も相手先発が左投手の場合は「6番・一塁」でのスタメン出場も有力視されていた。代役について高ヘッドはメヒアやエルドレッドに加え「松山も美間も。やりくりしながら。レギュラーが出てくれればいいけど」と安定した成績を残す存在の出現に期待した。
焦りは禁物だが、一日でも早い復帰がチームに活力を与える。「一日一日を大事に、最善を尽くしたいと思います」と言葉を紡いだ新井。万全でグラウンドに戻る日まで、一歩ずつ前へ進んでいく。