石原で連勝 ベテラン健在!千安打へあと3 会沢、磯村、坂倉には負けん
「広島6-2中日」(31日、マツダスタジアム)
広島の石原慶幸捕手(38)が2014年以来、4年ぶり、本拠地では02年以来、16年ぶりとなる開幕2連勝に貢献した。四回、1-1の同点とし、なおも2死満塁の好機で左前へ勝ち越しタイムリーを放った。この決勝打を含め、この日は16年9月2日のヤクルト戦(神宮)以来の3安打猛打賞。守備でも先発のジョンソンを好リードし、攻守でチームをけん引した。
拍手喝采を浴びた。ジョンソンと並んで上がったマツダスタジアムでのお立ち台で、石原は声を張り上げた。「KJ(ジョンソン)が頑張っていたので何とかしたかった。感触ですか?覚えていないですね」。スタンドからは笑い声も聞こえる。しぶとい打撃でもぎとった値千金の決勝点。青空の下で、最高の笑顔がはじけた。
四回、1-1の同点となって迎えた2死満塁。2ストライクと追い込まれ、外角へのカットボールを振り抜いた。「良いポイントで打つことができた」。きっちりと左足を踏み込んではじき返した打球は三遊間を破り、アルモンテの前に転がる。勝ち越しの左前適時打だ。
三回の第1打席で左前打。六回1死一塁では得点には結びつかなかったが、中前に運び好機を広げた。1試合3安打。猛打賞は16年9月2日のヤクルト戦(神宮)以来、2年ぶり40度目。「全く何も気にしていない」という通算1000安打までは残り3本とした。球界最年長捕手の活躍に、緒方監督は「オープン戦から(打撃の)感じは良かったからね」と目尻を下げた。
ベストナインとゴールデングラブ賞に輝いた16年は106試合に出場したが、会沢が正捕手に台頭した昨季は77試合に減少。磯村や坂倉が順調な成長曲線を描き、ドラフト1位の中村奨(広陵)も新たに加わった。「チームとして戦っているので頑張ってほしい」と後輩にエールを送る一方で、負けるつもりは毛頭ない。
経験値は誰より高い。投手の力を最大限に引き出すすべを心得ている。リード時の信念は、固定観念にとらわれないこと。この日も「満遍なく」と偏らない配球で的を絞らせず、ジョンソンを7回6安打1失点に導いた。1つの変化球の調子が悪かったとしても、それを使うことで他の球種を生かすリードを心掛けてきた。
本拠地開幕2連勝は02年以来。球団史上初のリーグ3連覇と34年ぶりの日本一へ、弾みがつくスタートダッシュだ。「全員で頑張っていきたいと思う」。前を向いて力を込めた言葉が、頼もしかった。