磯村、エルド、松山!鯉3発 開幕連勝ストップも昂也の負け消した

 「ヤクルト8-5広島」(4日、神宮球場)

 広島が今季初黒星を喫した。開幕からの連勝は「4」でストップしたが、打線は5点を追う六回に先頭・磯村嘉孝捕手(25)が今季1号ソロ。ブラッド・エルドレッド内野手(37)が3ラン、松山竜平外野手(32)もソロで続き、昨年7月7日・ヤクルト戦(神宮)以来となる1イニング3本塁打を記録。プロ初先発した高橋昂の黒星を消し去る意地を見せた。

 今季初黒星もタダでは転ばない。五回までヤクルトの先発・ハフに無安打無得点に抑えられていた打線が、5点ビハインドの六回に目覚めた。火をつけたのは途中出場の磯村だ。先頭で打席に立つと、それまで苦戦していた初球カットボールを鯉党が陣取る左翼席へ。今季1号は貴重なチーム初安打となった。

 「とにかく初球から積極的に振っていこうと思い、打席に入りました。自分のスイングでしっかり振り抜くことができました」

 伏兵の一撃で、球場に漂い始めていた嫌なムードを一変させた。さらに1死一、二塁と攻め、エルドレッドが打球を右翼ポールにぶち当てる3ラン。「少しボール気味の球だったけど、強引になりすぎずうまく上から叩くことができました」。お祭り騒ぎの雰囲気に、続く松山も乗った。今季1号を右中間席へ運び、今年初の1イニング3発。「甘い球だけに絞って打席に入りました。結果は100点」。納得の同点弾で助っ人左腕をKOした。

 1イニング3発は、「七夕の奇跡」と呼ばれる昨年7月7日のヤクルト戦(神宮)以来。あの夜は5点を追う九回にバティスタ、菊池の本塁打でジワジワと攻め、2死一、三塁から代打・新井がバックスクリーンへ逆転3ランをたたき込んだ。この日は同点止まりだったが、指揮官は手放しで称えた。「五回までノーヒットに抑えられていたけど、いい攻撃で同点に追いついてくれた。集中力を持ってやってくれている」。高橋昂の黒星を消し去り、打線は相変わらずの破壊力を示した。

 だが、リリーフ陣がピリッとしない。2番手・九里が2イニング目の六回に勝ち越し点を献上。連投となった中田も2失点。開幕戦からの5試合連続逆転勝ちは幻と消え、連勝も「4」で止まった。

 「1試合1試合、しっかり戦っていく。勝つときもあれば、負けるときもある」

 試合後、緒方監督はいつものフレーズを口にした。今季初黒星を喫しても、信念は揺るがない。気持ちを切り替えて、2カード連続の勝ち越しを狙う。

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