安部 敗戦の中、気を吐く今季1号&猛打賞 七回一気5点も演出
「中日11-7広島」(20日、ナゴヤドーム)
広島の連勝は5で止まった。敗戦の中、安部友裕内野手(28)が3安打と今季2度目の猛打賞で気を吐いた。二回には今季1号ソロ、さらに盗塁やセーフティーバントでも存在感を示した。チームは仕切り直し。安部のバットが再進撃への光となった。
敗戦の中でも安部の、覇気は全開だった。12日・阪神戦以来の3安打猛打賞。ロッカーからバスへの道中。もちろん敗戦のため笑みはない。キリッと表情を引き締め「今日はセーフティー(バント)が良かったです」と振り返った。
自身がそう振り返った場面は2点を追う七回無死二塁。小笠原の初球を三塁線ギリギリにうまく転がし、全力疾走で自身もセーフとチャンスメーク。この日自身3度目のHランプをともした。結果的にその回は一挙5得点。一時勝ち越しとなったビッグイニングに、間違いなく大きく貢献した。
小技だけでない。1点を追う二回2死走者なし、カウント1-1から小笠原の低め直球を迷わず強振。「覇気を出していきました。しっかり踏み込んで、うまく腕をたたみながら打つことができました。良いポイントで振り抜けました」と一時同点ともなった右翼席への1号ソロは、納得の一打だった。
五回先頭では中前打を放つと、続く会沢の打席で4度けん制されながら3球目に盗塁成功。バットでも足でも魅せた。前回猛打賞をマークして以降は19打数3安打。打率・158と振るわなかったが、この日の活躍をきっかけにさらに躍動していきたいところだ。
この日の3安打はいずれも左腕の小笠原。「とにかくしっかり真っすぐから入ることを考えていきました」と安部は納得の表情を浮かべた。迎打撃コーチも「左の時は苦しんでいたけど、違うところを見せてくれた。今日は投手への入り方が良かった。出る出ないはその日によるけど、今度左がきた時どう対応していくか見たい」と惜しみなく称賛の言葉を贈った。
ここまで安部が主に守る三塁は、美間や西川が先発することもある。もちろん目を向けるのは、今後全戦先発で出場していくことだ。「とにかく一戦一戦悔いのない打席にしていきたい。結果も内容もしっかり残していきたい」。チームの連勝は5でストップしたが、仕切り直し。安部もまだまだ光を放ち続ける。