バティ&誠也連発 進撃の巨人止めた!独走鯉のぼり待ったなし
「広島6-4巨人」(1日、マツダスタジアム)
首位の貫禄を示した。広島が、8連勝でマツダスタジアムに乗り込んできた2位・巨人との首位攻防3連戦初戦で今季13度目の逆転勝利。三回にサビエル・バティスタ外野手(26)と鈴木誠也外野手(23)のアベック弾で同点とし、勝利を呼び込んだ。会沢が2打席連続死球を受け、あわや乱闘の場面もあった。それでもナインはその後も冷静な試合運び。9連戦2カード連続で初戦白星をもぎ取った。
真っ赤に染まる球場が不穏な空気となり、数分後には歓喜へと変わった。同点の三回1死一、三塁。会沢が山口俊の初球を左腕に受け、2打席連続死球。両軍ベンチから選手が飛び出し乱闘寸前となり、警告試合とされた。それでもナインは冷静さを失わない。2死満塁で田中が押し出し四球を選び、勝ち越しの1点を奪った。
逆転の流れを引き寄せたのは中軸を担う2人だった。2点を追う展開から始まった三回。先頭の3番・バティスタが「若いカウントから積極的にいこうと思った」とカウント1-1から山口俊の直球を完璧に捉え左中間への一発。続く鈴木もバックスクリーン弾を放ち同点に。「良い感触でしたね」。それぞれ“らしさ”を見せ、勝ち越しへの道筋を立てた。
五回に大きな追加点を加えた。1死一塁で会沢が山口俊から左前適時二塁打。山口俊からは12年8月2日に顔面に死球を受けた因縁もあり、この日も連続死球を受けた後の打席だったが、冷静に打ち返した。「結果ヒットになったのは良かった。(死球で)カッとなりすぎたのは反省だけど、戦ってる以上闘志はむき出しにしないといけない」。その後は菊池の適時打もあり、2連続完投中だった右腕をKOした。
チームも結束している。4月28日の試合中に丸が「右ハムストリング筋挫傷」で離脱してから3試合目。試合前のミーティングでは、高ヘッドコーチが「丸がいないからみんなでカバーしていこう」と声を飛ばした。背番号9の代役3番を2戦連続で担ったバティスタも「勝たせるのが自分の仕事」と鼻息荒く臨み、鈴木は早出で打撃練習を行い、準備を整えた。8連勝中と勢いに乗っていた相手にも、きっちりと強さを見せつけた。
緒方監督は「プレーボールから野手がものすごい集中力で相手投手に襲いかかってくれた。ナイスゲームでした」と目を細めた。ゴールデンウイーク9連戦、2カード連続で初戦勝利。巨人とのゲーム差を3に広げた。鯉の季節にアツい勝利を刻み続ける。