岡田、悔しすぎる プロ初完封あと1人で追いつかれた…熱投136球も

 「広島1-1DeNA」(9日、マツダスタジアム)

 広島の岡田明丈投手(24)が、プロ初完封を目前で逃した。1-0の九回2死から連打で一、二塁とされると、倉本に痛恨の同点中前適時打を浴びた。直後に緒方監督がベンチを立ち無念の降板。今季6試合目の登板は8回2/3、9安打1失点だった。チームは今季4度目の延長戦を戦い、1-1で初めて引き分けた。

 温厚な岡田が感情を爆発させた。プロ初完封を逃し、交代を告げられベンチに下がった直後だ。グラブをいすの横に置くと、手に取った帽子を思い切りたたきつけた。唇をかみしめ、表情も曇らせる。悔しさいっぱいの今季6試合目。試合後は「すいません」とだけ言い残し、ロッカーへ歩を進めた。

 1-0の九回だった。先頭のソトに左前打を浴びたが、筒香を外角の直球で空振り三振。さらに二盗を狙った代走・宮本を会沢が素早い送球で封じた。併殺でプロ初完封まであと1アウト。舞台は整ったはずだった。

 暗転したのはその直後。ロペスに左前打を許し、宮崎にも左前へ運ばれた。2死から2連打で一、二塁。そして倉本に甘くなった内角球を中前にはじき返された。1-1。痛恨の同点適時打だった。

 プロ初完封目前で、まさかの失点。緒方監督がベンチを立ち、中崎への交代を告げた。8回2/3を9安打1失点。前回登板から中5日で球数は今季最多の136球を数えた。

 白星こそ手にできなかったものの、粘り強い投球が光った。0-0の二回無死一、二塁では嶺井を遊ゴロ併殺打に打ち取るなど無失点。先頭打者の出塁を許した三、四回もスコアボードに「0」を並べた。自慢の直球とカットボールを軸に100キロ台前半の緩いカーブを効果的に使う。今季の初の2桁10奪三振も記録した。

 ピンチでも平常心を持続できるのが安定感につながっている。「去年は気持ちが前に行き過ぎてしまうことがあったけど、今はコントロールできている」。ピンチを招いても得点を奪われたとしても自分を見失わない。心の成長がある。

 「良かったね。(九回は)三振ゲッツーを取って、流れがこっちに来たかと思ったけど。勝ちきる難しさ、最後1つのアウトを奪う難しさを経験したと思う。良い投球が続いているだけに、次も頑張ってほしい」と緒方監督。無念の登板を新たな力に変えて、岡田が次回のマウンドに上がる。

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