大瀬良 リーグトップタイ6勝目 ヤクルト戦はデビューから20戦負けなし

 「広島5-2ヤクルト」(19日、マツダスタジアム)

 本調子ではなかった。それでも広島・大瀬良は粘り強く右腕を振った。「きょうは野手の方に付けてもらった勝ち星です」。感謝の言葉を並べたものの6回5安打2失点にまとめたからこそ手にした、リーグトップタイの6勝目だ。

 初回に1失点。ファウルされることが多く、いきなり32球を要した。三回を投げ終えた時点で75球。決め球にキレを欠いたことで粘られ、球数は自然とかさんでいった。

 だが要所は締めた。「ボールとストライクがはっきりしていたので空振りは狙わなかった。ストライクゾーンの中で勝負した」。2四球で招いた四回2死一、二塁は西浦を遊ゴロ。六回1死一塁も二ゴロ併殺打で切り抜けた。低めに投げ、ゴロで打ち取る意識が結果につながった。

 ヤクルト戦は、デビューから20戦負けなしで9連勝。勝ち星は阪神・メッセンジャーに並んだ。畝投手コーチは「悪いながら粘りの投球を見せてくれた」とたたえた。

 「去年までならずるずるといっていたと思う。こういう投球を大事にしていきたい」。大瀬良は自らの変化を口にした。その日の状態に応じて、臨機応変に投球スタイルを変えられる強さが、今季の背番号「14」にはある。

(市尻達拡)

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