野間、人生初の満塁弾 逆転V撃「最高です」 誠也に水かけられ「最低です」
「広島5-2ヤクルト」(19日、マツダスタジアム)
広島・野間峻祥外野手(25)が人生初の満塁本塁打を放ち、チームを連勝へと導いた。2点を追う三回に飛び出した値千金の逆転決勝弾。野間にとっては入団1年目の15年以来の一発で、プロ通算2本目だ。これで貯金は再び10となり、2位巨人とは3・5ゲーム差に広がった。
グングンと伸びた白球が右翼席に着弾すると、野間は右拳を握り喜びに浸った。人生初の満塁弾が決勝の一撃。お立ち台に上がったヒーローは「最高です!」と声を張り上げ、鈴木に歓喜の氷水をかけられると「最低です」と鯉党の笑いを誘い、スタンドを沸かせた。
「追い込まれていたので何とか食らいついていこうと思いました。抜けたとは思いましたが、良い風に乗ってくれました」
2点を追う三回2死満塁。ブキャナンに2球で追い込まれると、直後のカーブを振り抜き逆転のグランドスラムだ。六回には三塁打を放って追加点にも絡んでおり、4打数2安打。打率・323で、4月下旬から3割台をキープしている。
安定した打撃成績を残していることもあり、これで6試合連続先発出場。現在は「ゆっくりタイミングを取ること」にこだわり、快音を鳴らし続けている。迎打撃コーチは「体が出る前にバットに球を当てられている。それで真っすぐやカットボールに振り負けないし、変化球を拾うこともよりできるようになった」と解説した。
その躍動ぶりには新井も喜んでイジり続けている。試合前練習中は「野間さんすみません、キャッチボールお願いします」と頭を下げ、この日の一発には「すごいパワーですね!」とちゃめっ気たっぷりに目を丸くした。「『3割切ったらもうイジらない』と言われている。切らないでイジってもらえるように頑張ります」と野間。“精神的支柱”からの愛も感じつつ、好調を維持し続けている。
緒方監督は「丸がいない中、必死になってやっている。この一打を自信にして、貪欲にポジションをつかんでくれたら」と期待した。チームの貯金は今季最多タイ10で、2位・巨人とは3・5ゲーム差に広げた。「丸さんの穴は埋まらないと思うので、僕のできる精いっぱいをやりたい」と表情を引き締めた野間。大卒4年目。確実に進化を遂げている。