中村祐、痛恨 4回4失点KO 遠い4勝目、悔し自身連敗
「巨人8-0広島」(22日、宇都宮清原球場)
広島の中村祐太投手(22)が4回を7安打4四球4失点(自責点3)で2敗目を喫した。初回先頭、坂本勇のワンバウンドした打球が左膝の内側に当たるアクシデント。痛みに耐えて続投したものの直後に失点し、三回にも3点を奪われ、チームの連勝を3で止めた。自身は開幕3連勝後、2試合連続で喫した黒星。“4勝目の壁”が立ちはだかっている。
痛みに悶絶(もんぜつ)した。わずか6球目だった。初回先頭、坂本勇がはじき返した打球が、ワンバウンドして左膝の内側に当たった。中村祐は、こぼれ落ちた打球を処理しようと必死に立ち上がるが内野安打に。それと同時にマウンドに倒れ込み、動くことすらできなかった。
「(膝の)感覚がなくなってやばいかな、と思った。テープを巻いていけるかなと思った。でも力が…。踏ん張れない感覚がありました」
担架でベンチ裏に運ばれアイシング治療を受けると、走ってマウンドに戻った。軽傷を感じさせる足取りに思われたが、その後は暴投や2四球と制球を乱し、1死満塁のピンチを招く。そして、岡本の三ゴロ併殺崩れの間に先制点を奪われた。
不運が重なった。試合前から風速5メートル以上で、スコアボードの旗は強くたなびいていた。坂本勇への2球目。一塁ファウルゾーンの飛球をバティスタがポロリ。カウント2-2から再び打ち上げ、右翼ファウルゾーンに上がった打球を、今度は背走した菊池が捕球できなかった。その直後に浴びた投手強襲打だった。
「コースを狙い過ぎ、慎重になり過ぎて無駄なランナーを出した。そこから失点につながったのが反省点。試合をつくることができず、先発の仕事ができなかった。実力不足。チームに迷惑をかけてしまい申し訳ない」と反省の弁を並べた。
0-1の三回には4本の単打を集められ、3点を失った。4回を7安打4失点(自責点3)で2敗目。初黒星を喫した前回15日の中日戦(ナゴヤドーム)に続き、2試合連続でKOされた。昨季は初登板から4試合で3勝。その後、4勝目を手にするまで2カ月以上も要した。今季も開幕から3連勝後に2試合連続勝ち星なし。“4勝目の壁”に苦しんでいる。
「前回より良かった。(きょうは)先頭だけでマウンドを降りるわけにはいかないという、気持ちの部分は見せてもらった。次回に期待をしたい」。緒方監督は前を向いて力を込めた。雪辱の機会はある。同じ轍(てつ)を三度は踏まない。中村祐が自力で壁を乗り越えていく。