新井、代打満塁2点タイムリー粘って粘ってあと1点も…5月本拠地初黒星
「広島6-7中日」(26日、マツダスタジアム)
広島・新井貴浩内野手(41)がベテランの勝負強さを発揮した。3点ビハインドの四回2死満塁。難敵・ガルシアから今季初の代打適時打となる2点打を放ち、追い上げムードを呼び込んだ。チームはマツダスタジアムで5月初黒星を喫したが、最終回には1点差まで迫る粘り強い攻撃を展開した。27日は交流戦前最終戦。勝ってカード勝ち越しを決める。
大歓声の中、球足の速い打球が中前へ抜けていく。今年も勝負強さは健在だ。晴れ渡った空の下、代打・新井が超満員のスタジアムを一振りで沸かせた。
「満塁のチャンスだったし、初めてのピッチャーだったので、どんどん積極的に振っていこうと思っていた。ランナーをかえすことができて良かった」
頼りになるベテランが、追い上げムードを呼び込んだ。3点を追う四回。2死満塁で打席に立つと、ガルシアの初球150キロにバットを出した。今季初の代打安打は反撃の2点タイムリー。無死満塁から野間、美間が連続三振に倒れた後だっただけに、プロ20年目41歳の存在感が際立った。
昨季は代打で33打数10安打、打率・333を記録。好結果は準備のたまものだ。いつもは試合終盤に備えるが、この日は中盤の四回の出番。それでも「準備はできていたよ。いつ言われてもいいようにね」ときっぱり。ここ一番で集中力を見せつけ、諦めない姿勢を大きな背中で示した。
大ベテランの一打に触発されて、チームは最後まで粘り強い攻撃を展開した。2点を追う六回は2死三塁から代打・下水流が泥くさく三塁へ適時内野安打。さらに、八回に野間の2号ソロで3点差に迫ると、九回は中日の守護神・田島を追い詰めた。2四球で2死一、二塁と攻め、代打・松山が中堅フェンス直撃の2点二塁打。逆転を信じる鯉党の声援に応え、1点差まで詰め寄った。
「あそこまで粘り強く攻撃してくれてね。もう一押しというところまでいって、攻撃陣を評価するところ。代打で行った人もいい結果を残してくれた」
試合後は緒方監督も攻撃陣に最敬礼した。この日は代打の新井、下水流、松山の3人で3打数3安打5打点の大暴れ。新井は「惜しかったね…」と唇をかんだが、次戦へつながる一敗だ。
ベンチ全員で戦うのが赤ヘル野球。29日から始まる交流戦までラスト1試合。27日の3戦目は勝って、ペナントレースを左右する戦いへと向かう。