西川 今季1号で楽天戦3連勝導いた 緒方監督も「まさかまさか」の一発
「交流戦、広島3-0楽天」(10日、マツダスタジアム)
広島・西川龍馬内野手(23)が今季1号の決勝3ランでチームを今季5度目の3連勝に導いた。0-0の七回、2死一、三塁。好投していた楽天の先発・美馬のカットボールを右翼席へ突き刺した。西川が本塁打を打てば昨季から5連勝で、貯金は再び11。パ球団相手に苦戦が続いていたが、今季4度目の同一カード3連勝で交流戦の貯金を1とした。
豪快なフォロースルーのまま、白球の行方を目で追った。広島の曇り空を切り裂いた打球は、真っ赤に染まる右翼スタンドへ。今季1号は痛快な決勝3ランだ。西川は右拳を握りガッツポーズ。普段クールな男に爽やかな笑みが広がった。
「初球から行こうと決めていたので、たまたまいいところに当たってくれた。その前の打席も甘い球を打ち損じていたので、修正できて良かったです。感情が出ていた?普通ですよ!平常心です!」
試合後は照れ笑いでごまかしたが、集中力はMAXだった。両軍無得点で迎えた七回2死一、三塁。それまで凡退した打席で「一緒のようなボールがあった。内側に来ると思っていた」と狙いが的中。美馬の初球、内角高めのカットボールをフルスイングし、待望の得点をもたらした。
伏兵の活躍に緒方監督もニンマリだ。「西川がまさかまさかの1本でビックリした」と目を丸くし、「一回、下(2軍)で調整してから、ものすごい数字を残しているでしょ。あとは痛い、かゆいを言わずにやってくれたらいい」。期待値が高いからこそ、チクリと注文も忘れなかった。
3試合ぶりの先発出場に燃えていた。5月25日の1軍再昇格後は好調を維持していた西川だが、7日の日本ハム戦で左足を負傷。楽天戦では1、2戦目のスタメンを外れた。「悔しさ?それもあるけど、スタメンで使ってもらって結果を出さないといけない立場なので、1本出て良かった」と素直に喜んだ。
プロ3年目もどん欲に進化を求めている。今季から「ビジョントレーニング」を開始。シーズン開幕前の検査で、視界の中央はよく見えているが、外側は弱いと診断されたという。それからは自宅で専用シートを目で追い、動体視力を鍛える日々。視力は左右とも「1・5以上」だが「より見えたら、もっと良くなるかもしれない」。打撃も守備も、もっともっとレベルアップさせたい。旺盛な好奇心と向上心が、伸び盛りの23歳を突き動かす。
お立ち台では「守備で迷惑ばかりかけていた。打つ方では貢献したいと思っていた」と言った。勝負強い打撃こそ、西川の真骨頂。三塁レギュラー奪取へ-、視界は良好だ。