丸2発 3戦連発6年連続10号到達 チームは4発11得点で圧勝
「阪神3-11広島」(23日、甲子園球場)
広島・丸佳浩外野手(29)が今季初で通算7度目の1試合2本塁打を記録し、チームを連勝に導いた。初回に3戦連発となる10号先制2ランで6年連続2桁本塁打とすると、五回に11号ソロを放ち貴重な追加点をたたき出した。攻撃陣は先発野手全員の13安打と爆発し、今季5度目の2桁11得点で圧倒した。
鋼のメンタルで恐怖心を打ち消した。2点リードの五回だ。1球前のすっぽ抜けた球は頭付近を通過。それでも丸はひるまず、内角の直球をつかまえた。打球は弾丸ライナーで右翼ポール際へ。今季初の1試合2発。乾いた打球音が雨上がりの甲子園にこだました。
「風が弱いときに打ててラッキー。頭の方を通ってびっくりしたけど、それも岩貞の投球スタイル。甘めのボールが来ることは頭に入っていた。しっかり反応できて、いいスイングができました」
初回は1死一塁から岩貞のチェンジアップを捉え、10号先制2ランを右翼席へズドン。これで6年連続2桁本塁打だ。それでも丸は冷静に言う。「ずっと出続けてこれだけ打席に立たせてもらえれば2桁ぐらいは打てる」とケロリ。守備に就く際はお決まりの敬礼ポーズを披露して、左翼席の声援に応えた。
中3の夏、地元千葉の勝浦を出発したバスに乗って初めて甲子園を訪れた。後に進学する千葉経大付を応援するためだ。3回戦の相手はダルビッシュ擁する東北。当日はあいにくの大雨だったが、丸は瞳をキラキラと輝かせて憧れの光景を目に焼き付けた。
千葉経大付は延長戦の末、ダルビッシュから白星。甲子園出場の夢は目標に変わった。自身も2年夏と3年春に「3番・エース」として甲子園出場。高校通算49本塁打の実力を知らしめて、プロへの扉をこじ開けた。
今季も甲子園では打率・368、3本塁打の大暴れだ。2本塁打の後はきっちり2四球を選び、久々に規定打席にも到達。残り7本となった通算1000安打までのカウントダウンも加速してきた。
「自分はホームランを打つタイプではないし、勘違いせず基本に忠実にできたらいい。自分の役割を全うしてその中で結果的にホームランになればいい」
3戦4発の量産態勢突入も、丸らしい言葉で締めた。攻撃陣はスタメン野手全員安打で今季5度目の2桁得点を記録。緒方監督も「いい形で攻撃できた。ナイスゲーム」とうなずく白星だ。チームは首位をガッチリ。絶好調の丸に導かれ、交流戦明け3連勝を狙う。