フランスア 来日初星 緊急救援で5回0封 ウイニングボールはドミニカの家に
「広島14-5巨人」(26日、マツダスタジアム)
笑顔の花が咲いた。勝利のハイタッチ。広島のヘロニモ・フランスア投手はベンチ前で緒方監督と並ぶと、何度も白い歯をこぼした。14年秋に初来日してから5年目。「最高にうれしい」。5回を1安打無失点、9奪三振の力投でうれしいプロ初勝利を手にした。
四回からマウンドへ上がった。3つのアウトを全て三振で奪って波に乗る。六回は先頭・長野の場面で雨脚が強くなり17分間中断した。それでも動じない。再開後も150キロ台の直球とチェンジアップを織り交ぜ、巨人打線を封じ込めた。
28日の第3戦に先発予定だった。だが、24日の阪神戦からロングリリーフ要員としてもブルペン待機していた。ジョンソンが打ち込まれたことで出番が巡ってきた。期待に応える快投劇に緒方監督は「よく投げてくれた」と賛辞を惜しまなかった。
日本で成功をつかむためにドミニカ共和国から海を渡ってきた。母のロレーナ・マルティネスさんからは「活躍してきて」と送り出された。来日当初になじめなかった日本食も母の言葉を思い出して克服した。
「ウイニングボールはドミニカ(共和国)の家に飾りたい。でも1勝じゃなくて、もっともっと勝ちたいよ」。フランスアはまぶしいくらいの笑顔で言葉をつむいだ。異国での夢への挑戦は始まったばかりだ。