誠也御礼弾 球団最速100万人突破 セ界無敵5連勝

 「広島8-6巨人」(27日、マツダスタジアム)

 広島の鈴木誠也外野手(23)が特大弾に謝意を込めた。初回に先制2点打を放つと、三回に左翼後方への特大11号ソロ。球団史上最速の主催33試合目で観客動員数100万人を突破した節目の試合で、鯉の4番が5連勝を演出。5試合連続2桁安打と波に乗る打線の勢いは止まらない。

 左翼席後方にある防球ネットが激しく揺れ動いた。今季11号ソロは推定140メートルの特大弾。鈴木は打球の行方を見届けてから、ゆっくりと走りだした。

 「会心。感触は良かったです。バッティングカウントだったので、とにかく思い切り振ろうと思っていました。甘い球を一発で仕留められて良かったです」

 豪快なフルスイングで魅せたのは三回だ。マギーの3ランで1点差に迫られ、2死から田口のカットボールを完璧に捉えた。試合の流れを再び引き寄せ、巨人を突き放した。

 「4番の仕事は打点を稼ぐこと」と言い切る男は満塁のチャンスにめっぽう強い。初回もそう。「タナキクマル」が作り上げた無死満塁から中前へ先制2点タイムリー。これで今季は2本の満塁弾を含む5打数4安打18打点だ。「特に意識はしていないけど、相手もピンチ。とにかく甘いストレートを捉えようと思っている」。シンプルな考えが好成績に結びついている。

 緒方監督は「今日も先制打とホームランか。またすごい当たりだったね」と目を丸くし、「3番の丸、4番の誠也がどんどん調子を上げてきているね」と目を細めた。

 4番はお立ち台でも絶好調だった。「3番の“ビッグヘッドモンスター”がしょっちゅうチャンスで回してくるので、ヤツのためにも打ちました」と先輩の丸をいじってニヤリ。ジョークに敬意を込め、「いつも言っていますよ。怒られますけどね」と笑った。

 長打力が魅力の鈴木だが、「ホームランは狙ったことがない。ヒットの延長」と話す。「ヒットが年間で170~180本打てたら、ホームランも30~40は出ると思う」。4番に座ることもあり、確実性を求め、「ピッチャーの足元を狙う」という基本姿勢を貫いている。

 チームはリーグ戦再開後、5戦連続で2桁安打を記録し、負けなしの5連勝。鈴木は規定打席に到達した。この夜は3万1399人の大観衆がスタンドを埋め尽くし、球団史上最速となる主催33試合目で観客動員100万人を突破した。「お客さんがたくさん来てくれた中で打ててうれしい」と鈴木。熱烈な声援に背中を押され、首位街道を突っ走る。

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