異例の中止!9日からの阪神3連戦 豪雨被害甚大…試合できる状況じゃない

 「巨人6-4広島」(8日、東京ドーム)

 広島が8日、西日本豪雨で多大な被害が出ていることを考慮して、9日からの阪神3連戦(マツダ)を中止にすると発表した。5日から広島を離れている緒方孝市監督(49)は被災地に配慮し「試合をする環境は厳しい」と受け止めた。選手らは試合後にそれぞれ帰広した。

 市民球団広島が熟慮の末、決断を下した。豪雨によって甚大な被害を受けた地元の現状に配慮して巨人戦終了後に9日からの阪神3連戦(マツダ)の中止を発表。鈴木球団本部長は「被災した人の心情や救助が進む中で試合ができる状態ではない。鉄道もストップして、明日(9日)は学校も休校と聞いている」と説明。松田オーナーが午後3時に「こういう災害のときに、広島で試合をして盛り上げる時期ではない」と決断を下したという。

 球団は西日本の災害状況を鑑みて、午前中にセ・リーグに中止を伝えた。当初は3試合すべてではなく状況を見ながらの試合数にとどめることも模索した。だが午後になって「3試合すべてを中止にしたい」と申し入れた。セ・リーグも鉄道や高速道路が現時点で復興の見通しが立っていないことから受理した。

 広島地方は5日から雨が降り続き、6日に土砂崩れ、河川氾濫などが発生。県内各地に被害が拡大し、一部地域には避難勧告が出された。7日になっても事態は収束せず在来線の運休、高速道路の通行止めが続いていた。

 試合後、緒方監督は「広島に帰ってみないと。ニュースでいろいろ状況を耳にしているけど、まだ行方不明の方もいらっしゃる。まだ落ち着いていない。そういった中で試合をする環境は厳しい。(中止は)当然の措置」と話した。選手らには試合後に中止の旨が伝えられたという。

 広島市出身の新井は「大変なことになっている。安否が分からない人もいるので心を痛めています」と沈痛の表情。選手会長・会沢も「広島がこういう状況だから仕方ない」と受け止め「僕らは元気や勇気を与えられるように、それが野球選手の使命。何らかの形で支援していきたい」と言葉を絞り出した。

 今後は9日にマツダスタジアムで投手練習が行われ、10日から全体練習が再開される。球宴もあり、後半戦初戦の16日まで7日間も実戦から遠ざかるが、シート打撃などで調整する。チームは試合後にそれぞれ帰広。今はただ1日も早い復興を願うしかない。

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