奨成、眼の前で清宮がアーチ「刺激になった」 後半戦1軍デビューで巻き返す
広島のドラフト1位・中村奨成捕手(19)=広陵=がフレッシュオールスターに初出場した。「8番・捕手」でスタメン出場し、五回までプレー。全ウの5投手を好リードしたが2盗塁を許し、持ち味の強肩を発揮できず。同期の日本ハム・清宮には眼前でソロを許し「刺激になった」と話した。バットでは2打数無安打だったが、悔しさを糧に後半戦の1軍デビューへ巻き返していく。
初めて立つフレッシュ球宴の舞台。12球団の期待の若手とともにプレーした中村奨は持ち味の強肩などを発揮できなかった。試合後は「悔しい」と本音を漏らした。それでも「たくさんの投手の球を受けさせてもらって、いい経験になりました」と前を向いた。
先発の阪神・馬場を三者凡退でスタートさせたが、悔しさをにじませたのは二回だ。無死一塁からヤクルト・村上に盗塁を許し、「今の課題の(球の)握り替え。こういう大事な場面でできなかったのは練習が足りない」と反省。三回にも巨人育成・松原が試みた二盗を刺せず、現状の課題を見つめ直す機会にもなった。
発奮材料もあった。四回の守備で、日本ハム・清宮に目の前でソロを浴びた。「間近で見てすごいと思いましたし、いい刺激になりました」。清宮、ロッテ・安田ら全イの同期入団組とは1月の新人研修会以来の再会。試合前には談笑もしたが、相手の一発に心を突き動かされた。
清宮の本塁打以外は他球団の投手も好リードし、無失点で抑えるなど収穫もあった。バットでは三回の第1打席が二ゴロ、四回の第2打席は当たりこそ良かったものの中飛。結果は2打数無安打だったが「今やっている強く振ることができた」と納得の表情を浮かべた。
ルーキーイヤーの今季、まだ1軍での出場はない。ウエスタン・リーグで55試合に出場し、打率・211、3本塁打、10打点。「体つきが全然違う。レベルの違いを感じます」と率直な思いを口にする。守備、打撃、体づくり…改めて課題の多さを自覚している。
打撃では主砲の助言を胸に刻む。鈴木が今季序盤に故障で離脱していた際、「自分に合った、プロに対応できるフォームを探していけ」とアドバイスされた。最短距離でバットを出せるように朝山2軍打撃コーチから指摘も受けながら、最良のフォームへ試行錯誤する毎日だ。
この日来訪した侍ジャパンの稲葉篤紀監督には「プロ野球で活躍できるように頑張ってもらいたい」と期待を寄せられた中村奨。「1年目から1軍に上がってやるぞという強い気持ちでやりたい」。チームはリーグ3連覇へ首位を快走する中、早期の1軍デビューへ後半戦も必死に時を刻んでいく。