大瀬良、ギータ斬り 憧れ初球宴で1回ピシャリ オール直球!躍動10球
「マイナビオールスターゲーム・第2戦、全セ1-5全パ」(14日、リブワーク藤崎台球場)
球宴第2戦は、熊本地震の復興支援の一環として熊本市のリブワーク藤崎台球場で行われ、全パが5-1で全セを下し、昨年から4連勝で通算成績を84勝78敗11分けとした。MVPには先制二塁打を放った源田が初めて選ばれた。初出場の広島・大瀬良大地投手(27)は1回をパーフェクト投。三回に登板し、全10球直球勝負で柳田を二ゴロに斬るなど存在感を示した。長崎県出身の右腕が、復興を目指す熊本に勇気、元気を届けた。
憧れの夢舞台で、持ち味を存分に発揮した。大瀬良が三回に2番手で登板し、1回をパーフェクト投球。最速147キロのオール直球勝負で全パの強打者らを封じ込め「憧れていたオールスターのマウンドで、描いたような気持ちを感じることができたので、すごく有意義な時間になりました」と安どした。
濃密な10球だった。先頭の甲斐を中飛に取ると、打席には柳田。1ボールから外角低めに145キロを投げ込み、二ゴロに斬った。「三振かホームランかの気持ちで。シーズンで打たれていたので、ああいうふうになって良かった」。4回7失点だった6月15日・ソフトバンク戦では安打も許していたが、真っ向勝負で切り裂いた。
最後は外崎への6球目を「力を入れて」146キロで空振り三振。試合前から三振への意欲を口にしていただけに、「三振を取れて良かった」と柔和な笑みを浮かべた。
マウンド外でも、初めての夏の宴を目いっぱい満喫した。登板のなかった第1戦は子供の頃から見てきた上原や松坂らと談笑。ベンチでは「最初は端っこの方にいましたけど、少しずつ真ん中に行ったりして過ごしました」と笑う。前日からの緊張もほぐれ「今日は場の空気に慣れて、楽しむことができた」と胸を張った。
16年に起きた熊本地震の、復興支援の一環でもあるこの日の球宴。長崎県出身の右腕にとって、九州共立大1年時以来の藤崎台県営球場だった。「九州の選手も頑張ってるというところを小さい子たち、みんなに見せたい」と話しており、その思いもマウンドからしっかり届いたはずだ。
この日はスタンドに駆けつけた家族や友人にも頼もしい姿を見せた。「すごく貴重な経験をさせてもらって、大きく成長できるいい時間になった。前半戦よりもいい形で成長した姿を見せたい」と気持ちを新たにした。前半戦リーグ最多の10勝を挙げた右腕は、後半戦も躍動し続ける。