丸の誓い…被災広島に「活力を与える」 鬼門ナゴヤで竜倒スタートダッシュ
鬼門突破で首位固めへ-。広島・丸佳浩外野手(29)が15日、後半戦初戦となる16日・中日戦(ナゴヤドーム)に向けて、これまで通り一戦必勝の姿勢を強調した。今季1勝5敗のナゴヤドームだが、意識せずに目の前の勝利を目指す覚悟で臨む。また今回の同3連戦では選手会による西日本豪雨の募金活動も予定されており、「被災地の方に活力を与えられるようにしたい」ときっぱり。リーグ3連覇へ、不動の3番がチームを引っ張る。
蒸し暑さが充満する室内練習場で鋭いライナーを連発した。マツダスタジアムで行われたオールスター出場選手を除いた全体練習に参加し、16日・中日戦から始まる後半戦へ準備はバッチリ。今季ナゴヤドームでは1勝5敗と苦戦しているが、丸は涼しい顔だ。
「当然、いいスタートを切りたい。最近、名古屋では勝てていないので。皆さんからは鬼門と言われるけど僕らは気にしていない。まだ先は長い。目の前の試合にしっかりと集中してやるだけです」
前半戦は3年連続の首位ターン。2位巨人に6ゲーム差をつけ、貯金11を積み上げた。それでも一戦必勝の姿勢は変わらない。同一リーグで唯一負け越している中日をたたいて、後半戦好発進へ弾みを付けたいところだ。
丸自身の視線も勝利だけを見据えている。前半戦は右太もも裏を痛め18試合を欠場したが、打率・330、17本塁打、40打点をマーク。「打ちにいった中でボール球を我慢できている。そういうのがつなぎの打線に大きく関わってくる」。出塁率・498と62四球はリーグ断トツ。異次元の成績で、首位を走るチームを引っ張っている。
それでも鯉の求道者は不満顔だ。「ケガをした時点でマイナス。離脱して迷惑をかけた分は埋められないし尻ぬぐいもできない」。優勝争いが本格化する勝負の後半戦へ「何とか勝ちに貢献できるようにしたい」とさらなる巻き返しを誓った。
壊滅的な被害を受けた広島の人たちの思いも背負う。西日本豪雨発生から約1週間が経過。今回の3連戦では選手会による募金活動が行われる。丸も被災者の心情に寄り添いながら、野球選手として使命感を口にした。
「こういう状態なので、僕らも呼びかけていきたい。野球選手である以上、野球をすることしかできない。少しでも励みになるか分からないけど、被災地の方を勇気づけるじゃないけど、活力を与えられるようにしたい」
豪雨の影響で9日からの阪神3連戦(マツダ)は中止となったが、20日からの巨人3連戦は本拠地で行われる方向だ。球宴休みを挟んで休養十分。しばし広島を離れ、鬼門名古屋から後半戦ロケットスタートを決める。