丸じゃ松山じゃ!広島3連覇へ最高リスタート 鬼門ナゴヤD破壊主軸アベック弾
「中日1-5広島」(16日、ナゴヤドーム)
広島・丸佳浩外野手(29)と松山竜平外野手(32)が鬼門ナゴヤドームでアベック弾を放ち、後半戦初戦を勝利で飾った。西日本大豪雨から10日が経過。最大の被害を受けた広島へ、ナインがチーム一丸で白星を届けた。
一発攻勢で竜を退治した。試合前まで1勝5敗、鬼門ナゴヤドームで休養十分の2人が大暴れだ。まずは丸が先発・吉見の出はなをくじいた。初回、2死走者なしからスライダーを強振。右翼席へ18号ソロを突き刺した。
「自分のスイングでいい形で捉えることができました。先制点につながって良かったです」。ナゴヤドームでの一発は2016年8月28日以来2年ぶり。通算126本塁打となり、プロ11年目で嶋重宣を抜いて、球団歴代単独20位に躍り出た。
1点リードの二回には松山が魅せた。こちらは低めのスライダーを振り抜き、右翼スタンド最前列まで届かせた。「2ボールだったので積極的に打ちにいきました。練習通りのバッティングができました」。技ありの8号ソロに、鯉のアンパンマンは納得顔だった。
広島も大きな被害を受けた西日本大豪雨の影響で、9日からの阪神3連戦(マツダ)が中止に。8日・巨人戦(東京ドーム)から7日間実戦から遠ざかることで試合勘が心配されたが、まるで影響を感じさせない。
試合がない期間は1軍投手相手のシート打撃やナイター練習、猛暑を考慮して室内練習場での打ち込みなど、練習メニューを工夫した。もちろん休養日も設け、万全の状態で敵地・名古屋に乗り込んできた。
2点リードの四回にベテラン石原が中前適時打を放つと、八回は西川、九回にも野間がタイムリー。竜投手陣に14安打を浴びせ、小刻みに得点を重ねた。後半戦も、赤へル打線の破壊力は健在だ。
負けられない一戦だった。西日本大豪雨から10日が経過。地元・広島は今なお被害の爪痕が残るが、被災地の人々は懸命に復興を目指している。この日は両軍の監督、選手による募金活動が行われ、試合前には黙とうが捧げられた。前日、丸はこう言った。「僕らはプロ野球選手である以上、野球をすることしかできない。少しでも励みになるか分からないけど被災地の方に活力を与えられるようにしたい」。特別な思いで臨んだ後半戦初戦。ナインが一丸となって広島へ白星を届けた。