下水流、奇跡逆転サヨナラ弾!豪雨被害後初マツダ 緒方監督「大きな勇気与える」
「広島10-9巨人」(20日、マツダスタジアム)
最後の最後に劇的な一発が待っていた。1点を追う延長十回2死一塁。広島・下水流がマシソンの2球目、153キロ直球を振り抜いた打球が、右翼ポール際へ飛び込んだ。
土壇場での逆転2ランは「人生初」のサヨナラ本塁打。西日本豪雨被災者へ元気と勇気を届け、本塁でナインにもみくちゃにされた30歳は「最後に勝利の報告をできて良かった」と、お立ち台で笑みをこぼした。
災害発生後、マツダスタジアムで初めての試合。初回からナインはエンジン全開だった。野間の左前適時打と安部の2号3ランで4点を奪うと、二回は丸が右翼線適時二塁打、松山が9号2ランで山口俊をKOした。
被災地支援のため、試合前に緒方監督とナインが募金活動。犠牲者に黙とうをささげ、被災者への思いを胸に刻みながらプレーした。最大7点リードを一時逆転されたが「諦めない雰囲気をファンの人も作ってくれている」と下水流。試合中の応援も鳴り物を使わず行われた特別な一戦で、球場全体が一つになった。
緒方監督は「本当に大きな大きな一打だった。ナインと広島の人に大きな勇気を与える一打だった」。2位・巨人との3連戦初戦を飾り、6ゲーム差。広島への思いとともに、優勝のその時まで突っ走る。