鈴木 4戦連続打点 連勝ストップも4番はノンストップ バットで全開アピール
「阪神6-3広島」(25日、甲子園球場)
広島・鈴木誠也外野手(23)が4試合連続打点を記録した。4点を追う五回2死一、二塁から左前へ運んだ。チームは序盤に逆転を許すと、打線の反撃も及ばず。阪神戦の連勝は6で止まり、チームの連勝も4でストップ。優勝マジックの最短点灯は8月1日となった。
敗れはしたが、4番の仕事は果たした。4点を追う五回、快音を残した白球が左翼の芝生に弾んだ。2死一、二塁の好機で鈴木が左前適時打。阪神・才木の直球を完璧に打ち返し、左翼席に陣取る鯉党の声援に応えた。
「積極的に振れたと思います。つないでチャンスを作ってくれたので、何とか1点返せて良かったです」
勝負強さに磨きがかかってきた。これで21日・巨人戦(マツダ)から4試合連続打点を記録。得点圏打率は3割を超え、松山の49打点に次いで、チーム2位の48打点となった。好結果の要因はシンプルな思考だ。好機で打席に立つと、とにかく走者を「かえす意識」だけ。常に好球必打を心がけ、強力打線につながりを生んでいる。
好調なバットで全開もアピールした。16日・中日戦(ナゴヤドーム)で左すね付近に自打球を当て、2試合を欠場。長期離脱が心配されたが、休日の19日にマツダスタジアムを訪れ汗を流すと、「暑いので切りました」と丸刈り頭で現れた20日・巨人戦(マツダ)から代打で復帰。翌21日からスタメン出場すると、そこから4試合で2本塁打を放つなど、若き4番として堂々の働きを続けている。
この日ばかりは序盤のビッグイニングの失点が響いた。「逆転のカープ」の反撃も3点止まりで、初対戦の才木に白星を献上。東出打撃コーチは「三回の4点で楽にしてしまった」。迎打撃コーチは「(直球に)不規則な軌道が多かった。ストライクゾーンを見逃すと相手の投球の幅を広げてしまう」と印象を語った。ただ六回にはバティスタのソロでマウンドから降ろしており、試合後のナインに右腕に対する苦手意識はなかったようだ。
首位独走のチームは連勝が4で止まり、阪神戦の連勝も6でストップした。優勝マジックの最短点灯も8月1日に延びた。それでも貯金は15ある。緒方監督は「こっちも反撃してチャンスを作った」と打線の粘りを評価。26日は鈴木が「対戦は楽しい」と語る同級生・藤浪との対戦だ。今季は初対決。若き4番のバットで剛球を打ち砕き、連敗阻止だ。