大瀬良、セ界単独トップ12勝 快投8回1失点!緒方監督に通算300勝贈った
「DeNA2-4広島」(4日、横浜スタジアム)
広島・大瀬良大地投手(27)が8回5安打1失点の好投でリーグ単独トップの12勝目を飾った。防御率も2・43でリーグトップに浮上。DeNA戦での勝利は14年9月6日以来約4年ぶりだった。また、緒方孝市監督(49)は就任4年目で通算300勝に到達した。優勝マジックの最短点灯は7日。猛暑の中、鯉軍団がV街道を突っ走る。
勝利の瞬間をベンチで迎えると、白い歯をこぼしナインとハイタッチを交わした。大瀬良が8回5安打1失点でリーグ単独トップの12勝目。ヒーローは左翼席のファンから割れんばかりの歓声を浴びながら「勝てることはいいこと。何とか勝ちをまた増やし続けていければ」と安どの表情を浮かべた。
「ブルペンでストライクが入らなくて『どうした』と思っていた」と不安気味に上がったマウンド。それでもこれまでの直球主体とは違い、カットボールやスライダー、フォークなど変化球主体の投球で安定感を示した。二回に宮崎に一発を浴びた以外は二塁すら踏ませなかった。「アツさん(会沢)がいい球を選択してくれた」と感謝した。
7回以上投げきった先発は7月16日・中日戦のジョンソン以来15試合ぶり。ローテを支える勝ち頭が、中継ぎ陣の負担軽減にも一役買った。
“鬼門”も破った。先発としてのDeNA戦白星は14年9月6日以来10戦ぶり。前回登板の7月28日は6回6安打4失点で黒星を喫していたことから「こういう形で勝てたのは良かった」。相手を手玉に取り、見事に1週間前の借りも返した。
大先輩に恩返しするためにも、頼もしい姿で腕を振り続ける。オフにはフォーム改良についてなど助言を受けていた黒田博樹氏が7月20日・巨人戦にテレビ解説のため本拠地に訪れた。直接対面しなかったそうだが、人づてで「頑張れよ」と激励を受けたという。「シーズンが終わっていい報告ができるように。顔を合わせるのはまだ早いです」。今季満足いく結果を残した末に、再会を果たすつもりだ。
右腕の好投に緒方監督は「投球内容がこの(長い)イニングにつながった」と目を細めた。くしくもこの日は指揮官の通算300勝到達日で、「何とか僕で勝てて良かったです」と柔和な表情を見せた背番号14。優勝マジック点灯は最短で7日。リーグ3連覇のために、大瀬良はチームを勝利へ導き続ける。
緒方監督は球団史上6人目となる監督通算300勝を達成した。4年目で節目を飾った指揮官は試合後、「選手の頑張り、それを支えるコーチ、裏方、スタッフなによりカープファンの後押しがあって積み上げられた数字」と感謝しきりだった。