菊池サヨナラ打!新井と抱き合い喜び爆発 10日M点灯へ5連勝
「広島3-2中日」(9日、マツダスタジアム)
広島がサヨナラ勝ちで延長戦を制し、5連勝を決めた。2-2で迎えた延長十一回、代打・新井貴浩内野手(41)の右前打から1死一、二塁と好機を広げ、最後は菊池涼介内野手(28)が右前へサヨナラ打を放った。優勝マジックは10日以降に持ち越しとなったが、首位独走チームとしての底力を見せつけた。
歓喜の打球が一、二塁間を抜けた。菊池が4時間8分の死闘に、けりをつけた。2-2で迎えた延長十一回、1死一、二塁の好機でロドリゲスから値千金のサヨナラ打だ。一塁を駆け抜けると、ベンチから一番に飛び出してきた新井と抱き合い、喜びを爆発させた。
お立ち台では「うれしいです。新井さんが気持ちでつないでくれてタカシ(上本)もよく走ってくれた。振り返ったらお兄ちゃんがいました」と笑った。
同点の状況が続く中、試合を動かしたのは代打・新井だ。1死から痛烈な右前打。代走・上本が二盗を決め、田中が四球でつないだ。このチャンスに、菊池が最高の結果で応えた。
緊迫の展開だった。二回に2点を先制され、鯉の新鉄人が本領発揮した。二回、2死二塁の好機に手負いの1番・田中が左前へ適時打。「積極的にいきました。コースに逆らわず、しっかりと打ち返すことができました」。前夜は右膝に死球を受け、症状が心配されたが、この日は午後1時頃にグラウンドに登場。いつも通りウオーミングアップのルーティンをこなすと、練習でも通常メニューを消化した。何事もなかったように「1番・遊撃」でスタメンに名前を連ねた。
2試合連続スタメンの西川も躍動した。1点を追う四回、無死一、三塁から右前へ同点適時打。「1発できっちり仕留めることができました。野間さんをかえすことができて良かったです」。7日に三塁を争うライバル安部が離脱。再びレギュラー奪取の好機が訪れている。2安打2得点を記録した前夜に続いて、この夜も複数安打と元気いっぱいだ。
その後はゼロ行進が続いたが、大歓声の後押しを受けて、最後は逆転のカープが試合を決めた。緒方監督も「キクが難しい球をよく打ってくれた。よく決めてくれた」と菊池の一打を称賛。阪神が勝ったため、優勝へのマジックナンバー点灯は持ち越しとなったが「今日は今日。明日また勝てるように頑張ります」と菊池。カウントダウンが迫っても、ナインは泰然自若でグラウンドに立つ。