緒方カープM32!7度目の正直 早くコイコイ3連覇Xデー、最短は9月5日
「広島6-4阪神」(15日、京セラドーム大阪)
広島がセ・リーグ一番乗りで60勝に到達、7度目の挑戦で優勝へのマジックナンバー「32」を点灯させた。3番丸、4番鈴木が打線をけん引し、リリーフ陣も阪神の反撃を最小限で防いだ。攻守隙なしの緒方赤ヘル、最短優勝は9月5日だ。
カープらしい野球でV3マジック「32」をともした。2日のヤクルト戦から数えて7度目の挑戦。ゲームセットの瞬間、緒方監督は引き締まった顔つきでナインをハイタッチでねぎらい、今季60勝目の白星をかみしめた。
「今日も打線がいい攻撃をしてくれた。しっかりと点数を取ってナイスゲームだった」
試合後はいつも通り選手をたたえ、ゲームを総括した。指揮官も納得の白星だ。この夜もリーグ屈指の3、4番コンビが打線をけん引した。三回に丸が先制二塁打を放つと、4番鈴木は左翼席へ22号2ラン。「主軸2人がああやってしっかり打点を挙げてくれるからいいゲームができている」と緒方監督も満足そうにうなずいた。
勝っても、負けても試合後は「一戦、一戦しっかり戦うだけ」と繰り返してきた。開幕から首位をひた走り、4月24日から一度もその座を譲っていない。リーグ連覇した過去2年を上回る独走。昨季より1試合早い101試合目のM点灯も「星勘定はしない。なぜする必要があるんだ」と語気を強めて言う。交流戦前に「8月まで目いっぱいやる」と力を込めたように一戦必勝の姿勢を貫く。
今月7日の練習前。マツダスタジアムのグラウンドで大瀬良から記念球をプレゼントされた。それは球団史上最速の監督通算300勝を飾った4日DeNA戦のウイニングボールだった。後ろは振り向かない性格。通算100勝、同200勝の記念球も手元にない。だから最初は「いいよ」と拒んだ。それでも「最速ですから」と促されると「そうかオマエの12勝目のボールでもあるもんな、ありがとう」と感謝。キャリアハイの勝ち星を積み重ねていく右腕の成長に目を細めつつ、初めて記念球を受け取った。
帰りのバスに乗り込む直前、手綱を締め直した。
「前から言っているように関係ない。昨年の反省を踏まえて、143試合、うちの野球を、カープの野球をやるだけ。また明日、一戦一戦しっかり戦っていきたい」
最短優勝は9月5日。球団史上初のリーグ3連覇へ挑戦者の姿勢で突き進んでいく。