大瀬良 逆転呼ぶ粘投で13勝目 カープ「M30」再点灯 最短Vは9・7

 「DeNA1-4広島」(18日、横浜スタジアム)

 広島・大瀬良大地投手(27)が両リーグトップタイの13勝目を挙げた。7回0/3を6安打1失点の好投で前夜の逆転負けのショックを振り払った。ヤクルトが敗れ、カープにマジックナンバー「30」が再点灯。リーグ3連覇へ再び走りだす。

 悔しさを押し殺して、大瀬良はマウンドを後にした。4-1の八回、先頭からの連打で無死一、三塁のピンチを残して無念の降板。2番手・フランスアが後続を無失点でねじ伏せると真っ先にベンチを出てねぎらった。

 「イソ(磯村)に助けられながら、一人一人しっかりと抑えることができた。前回もああいう形(イニング途中)で降板してしまっていたので、同じような形になってすごく悔しかったです」

 試合後のヒーローインタビューでは女房役への感謝と反省の言葉を口にしたが、この夜も先発の大黒柱の仕事を果たした。初回から堂々としたマウンドさばきを披露。力のある直球、カットボール、フォークをコーナーいっぱいに散りばめた。

 二回は先頭・筒香の飛球を右翼・鈴木が見失い、アンラッキーな形から先制点を献上。試合の主導権を握られたものの、慌てる様子はない。三回は1死満塁で4番筒香を外角の直球で遊ゴロ併殺。涼しい顔でスコアボードにゼロを並べ続けた。

 今季の大瀬良は味方の攻撃が終わると、すぐさまマウンドへ向かう。テンポを強く意識しており「イニング間の投球練習も早い方が良いと思って」とハイピッチで投じる。ストライク先行を心がけ、132回2/3を投げ四球は28個だけ。「無駄なボールや四球がなくなったと思う」と試合にリズムを生んでいる。

 八回途中6安打1失点の好投で、両リーグトップタイの13勝目。防御率も1位をひた走る。首脳陣の信頼も厚い。試合後、緒方監督からは「今年はピッチャーの柱としてこういう勝負所でしっかり投げてくれている。チームに勇気を与えるナイスピッチングだった」と手放しでたたえられた。

 前夜は4番筒香の逆転満塁弾から3者連続本塁打を打たれショッキングな敗戦。一夜明けて嫌な流れを断ち切り、大瀬良は「何とかいいピッチングをして流れを引き寄せたいと思っていた。粘り強く投げてチームが勝って良かったです」とうなずいた。チームの連敗を止め、優勝マジック「30」が再点灯。キャリアハイの1年をリーグ3連覇で彩る。

 ◆優勝マジック再点灯 18日は広島がDeNAに勝ち、ヤクルトが阪神に敗れたことでヤクルトの自力優勝の可能性が再び消滅。広島の優勝マジックが「30」で再点灯した。広島は残り39試合のうち30勝すれば、他の5球団が全勝した場合でも勝率で上回られることはない。現時点での最短優勝は9月7日。

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