大瀬良、マエケン以来の投手2冠で沢村賞いける! セ3連覇へ無欲強調も
リーグ3連覇達成とともに、投手としての最高の栄誉も手に入れる-。広島・大瀬良大地投手(27)が20日、沢村賞を視界に入れている現状について語った。ここまで20試合登板で13勝5敗、防御率2・31。勝利数と防御率はリーグ1位を走り「結果として出てくれるのは良いこと」とうなずく。球団史上4人目の同時受賞の可能性は十分な上に、球団史上8人目の沢村賞受賞も夢ではない。背番号14がキャリアハイの成績で球史に新たな1ページを刻む。
プロ5年目、個人成績にキャリアハイの数字が並ぶ。ここまで自己最多13勝、防御率2・31はリーグトップ。大瀬良は「毎日、必死に練習して次の試合に向けてやってきた。それが結果として出てくれているのは良いことかなと思います」と率直な感想を口にした。
獅子奮迅の活躍で、首位を独走するチームを支えてきた。開幕から先発ローテを守り、18日・DeNA戦(横浜)も七回途中6安打1失点の力投。チームの連敗を止め、優勝へのマジックナンバーを再点灯させた。
残り38試合。2014年の新人王以来となる個人タイトル獲得が視界に入ってきた。大瀬良本人は「まだまだ全然です。チームも大事なところに差し掛かるので」と無関心を強調するが、最多勝、最優秀防御率の同時受賞となれば86年北別府、91年佐々岡、10年の前田(現ドジャース)以来、球団4人目の快挙だ。
さらに大瀬良が「最高の栄誉、とんでもない人たちが取っているイメージ」と話す沢村賞にも手が届きそうな位置にいる。広島の歴代受賞者は7人おり、受賞すればジョンソン以来2年ぶりとなる。残り登板数は6~7試合程度とみられ、同賞の条件である7項目のうち、登板数(25)、勝利数(15)、勝率(6割)、奪三振(150)、防御率(2・50)の5項目はクリアできる見込みだ。
大瀬良の成績で特筆すべき数字がクオリティー・スタート(QS、6回以上自責点3以内)の高さだ。登板20試合中16試合で達成し、QS達成率8割もリーグトップ。今季から沢村賞の補足項目として独自で設定したQS(7回以上自責点3以内)の達成率が加わったことは、右腕にとって追い風となりそうだ。
「チャンスがある位置にいるのは良いことだと思う。個人としてもチームの柱になりたいと思っているので。長いイニングを投げて、失点を少なくしたいと思ってやってきた。昨年よりは良くなっていると思います」
登板2日後のこの日は休養日。次回は25日・中日戦(マツダ)に登板予定だ。もちろん個人タイトルよりリーグ3連覇が最大の目標。無欲でマウンドに立ち、チームに白星を呼び込む。