会沢ド根性弾 死球禍から復帰即!選手会長、自己新11号で逆転呼んだM26

 「広島7-4ヤクルト」(22日、マツダスタジアム)

 広島・会沢翼捕手(30)が16日・阪神戦の頭部死球による負傷交代以来、5試合ぶりに「8番・捕手」でスタメン復帰。四回には自己最多を更新する11号同点ソロ、守備では粘り強く4投手をリードと攻守でナインを鼓舞した。選手会長のど根性が生んだ逆転劇で、優勝マジックを「26」に減らした。

 広島の夜空に会沢の笑顔がはじけた。九回2死二塁。上田を遊ゴロに打ち取り試合が終わると、中崎と握手を交わしながら白い歯をこぼした。頭部死球による負傷交代から5試合ぶりのスタメン出場。復帰戦を白星で飾れたことが、何よりうれしかった。

 「チームが勝ったことが一番。そこを目標にやっているので良かったと思う」。勝利の余韻に浸りながら、額の汗をぬぐった。

 攻守でチームを引っ張った。3-4の四回は先頭で打席に立ち左翼席へ同点の11号ソロをたたき込んだ。「何とか塁に出たいと思っていた。最高の形になった」。自分史を塗り替える一発で攻撃陣のスイッチを入れ、五回の逆転劇につなげた。リード面では九里を筆頭に中継ぎ3投手を粘り強く引っ張り、四回以降は無失点でまとめた。

 16日・阪神戦の九回にドリスの投球が左側頭部付近を直撃、負傷交代した。翌17日のDeNA戦(横浜)は宿舎で静養。その後も復帰プログラムをこなし、この日を迎えた。実戦感覚の不安や恐怖心は「問題なかった。何度も当たっているから」。ニヤリと笑い飛ばすだけの強さが頼もしい。

 グラウンドに立てなくてもチームを支える姿に選手会長としての責任感がにじむ。追い求めるのは一体感だ。この日は、前日21日の九回に失策を犯した上本の、28度目の誕生日だった。「崇司の誕生日。試合前のミーティングで絶対に勝とうと言った。良い誕生日プレゼントになった」。チーム内での役割は違えど、目指す方向は同じ。一人一人が支え合うことで生まれる強さを証明してみせた1勝でもあった。

 今季30度目の逆転勝利で優勝マジックは「26」。会沢を先頭に一丸で戦い抜くチームは、球団史上初のリーグ3連覇へ着実に歩みを進める。「一戦一戦、しっかりとやっていくだけ」と前を見据えた選手会長。「またあした以降も頑張ってもらう」。緒方監督の言葉が、チーム全員の思いだ。

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