丸、自身初の30号 新井、前田以来の球団日本選手大台!和製キングも射程
「広島1-11中日」(26日、マツダスタジアム)
広島・丸佳浩外野手(29)がプロ11年目で初の30号を放った。0-10の五回に藤嶋から右越えの一発。日本選手では05年の新井、前田以来の大台到達となった。チームは大差で敗れたが、2打数2安打2四球と全打席出塁で持ち味を発揮。優勝マジックは「22」のままだが、背番号9の頼もしさは変わらない。
劣勢ムードの中、美しい放物線を本拠地に描いた。0-10の五回1死走者なし。丸が初対戦だった藤嶋の初球、128キロフォークを完璧に捉え、右翼スタンドへ運んだ。「点差は開いていたけど、自分のやるべきことをやろうと。初球だったので、しっかりとスイングしようとした結果、捉えることができた」。試合後は冷静に振り返った。
マツダスタジアムでの通算1002号となったが、自身は節目の30号だった。今季は昨年の自己最多23本を更新し続けている。「特に何も思っていない」とサラリと話したが、球団では14年にエルドレッドが37本をマークして以来の大台。日本選手では05年の新井(43本)、前田(32本)以来13年ぶりで、本拠地がマツダスタジアムになってからは初の快挙だ。
どんな展開でも冷静に、集中して打席に入ることがアーチ量産の要因だ。「集中力が切れてしまいそうな時もあるし、そこは自分の中で目的を持った中でやれたらと思っている」。一発のみならず、この日は2打数2安打2四球。リーグトップを走り続ける出塁率は・488で、迎打撃コーチも「ワンスイングで仕留められるのは、集中力を切らさずにやる積み重ね。あとは四球が丸を象徴している」と目を細める。
序盤から先発投手が崩れ、打線もチャンスを作りながら、あと一本が出なかった。緒方監督は「序盤からこういう展開になってしまって、ファンの方に申し訳ない」と険しい表情を浮かべたが、「エラーなくしっかりと守ってくれた。打席の内容としてはみんな悪い打席を送ってない」と野手陣をナインを評価した。
優勝マジックは対象チームのヤクルトが勝利したことで、「22」と変わらず。最短Vは9月9日だ。28日からは巨人、ヤクルトと敵地で6連戦。「また火曜日から一戦一戦切り替えて戦うだけです」と指揮官。頼もしい丸が、これからもチームを引っ張っていってくれる。