丸 延長十回決めたV弾 ドドドォ執念逆転星で「M17」最短優勝は11日
「ヤクルト5-6広島」(31日、神宮球場)
広島・丸佳浩外野手(29)が決勝の31号ソロを放った。延長十回に梅野から右翼席へ放り込む一発で、今季34度目の逆転勝利。バティスタら打線が一丸となって奮闘して手にした白星。優勝マジックも2つ減らし「17」。最短Vは11日。歓喜の瞬間まで、勢いは止まりそうにない。
これぞ千両役者だ。丸が今季13度目の延長戦で試合を決める31号ソロ。5-5の延長十回先頭で、右翼席へ鮮やかなアーチを架けた。五回終了後の神宮球場に打ち上がった花火に見劣りしない程の一発で、スタジアムの左半分を埋め尽くした鯉党を熱気の渦に巻き込んだ。
「仕事ができて良かった。しっかりコンパクトにいけばと思って、その気持ちが良い結果につながったと思います」
相手は4番手・梅野。1ストライクから2球目、146キロ直球を完璧に仕留めた。主力のバットが手繰り寄せた今季34度目の逆転勝利。一時4点を追う展開で、4点差以上をひっくり返したのは両リーグ最多の5度目だ。
丸が「あのホームランが大きかった」と話すように、火を付けたのはバティスタだ。序盤から相手先発・ブキャナンに苦戦を強いられていた中、1-5の八回無死一塁。代打で打席が巡ってきた。カウント0-1から内角146キロツーシームを豪快にフルスイング。持ち前のパワーで左翼席へぶち込んだ。
「少し詰まったけど、よく入ってくれましたね。インサイドの球に対して良い反応で打つことができました」
集中力を研ぎ澄ませ記録した22号2ランは、最低限の目標でもあった。昨季は11発で、二桁本塁打に到達した際、「倍の22本は打ちたいよ」と鼻息を荒くしていたドミニカン。最近は代打での出場も多い中、きっちりと仕事を果たした。
成長も実感する。5月下旬から6月中旬まで出場選手登録抹消されていた際に、フォームを改良。朝山2軍打撃コーチの助言で打席での前傾姿勢をやや立たせ、それ以降は「粘れるようになったよ」と白い歯を見せる。
この一発で呼び込んだ終盤の同点、そして丸の一撃。
優勝マジックは2つ減らし「17」。タナキクマルらが随所に好守を見せており、緒方監督は「今日は守り勝った。劣勢の中追いついて勝ち切れたのは大きい」と目を細めた。どんな試合でも勝ちきる強さを終盤の9月も示し続ける。