菊池 同点弾&満塁一掃打 新井さん引退表明から続いた連敗止めて「M7」
「広島7-2DeNA」(12日、マツダスタジアム)
広島・菊池涼介内野手(28)が13号ソロを放つなど4打数4安打4打点と連敗を6で止める価値ある勝利に大きく貢献した。丸、鈴木、松山の中軸も適時打をマークするなど、役者たちも躍動。くしくも新井の現役引退発表から続いていた連敗だったが区切りをつけ、優勝マジックも「7」となった。球団史上初の3連覇も、もう間近だ。
熱い一撃で、連敗ストップへ火をつけた。0-1の五回先頭。菊池が東の2球目、132キロスライダーを振り抜いた。打球は美しい放物線を描き、左翼スタンドへ着弾。勝利へ結び付ける、大きな13号ソロだった。
「食らいついて思い切っていきました。新井さんにスラィリー(ぬいぐるみ)を届けることができて良かったです」。一撃を見舞うと、笑顔で振り返った。初回、三回にも安打を放ち、4-1の八回1死満塁では左中間を真っ二つに破る走者一掃の3点適時二塁打とし、今季2度目の4安打。号砲を鳴らせば、トドメも刺した。
5日に新井が今季限りでの現役引退を発表してから6連敗。しかしチームをけん引する1人として、菊池には感じるものがあった。
「頼っちゃいけないですけど、頼りながら4年間やってきて。本当にいなくなるってことは頼れる存在がいないので、僕らもしっかり自分たちの思いもありますけど自分たちの力でチームを引っ張っていきたい」
新井も背番号33の躍動に「ナイスバッティング」と目を細める。連敗と発表が重なっていたことには「かなり気にしてました」と振り返るが、ナインが一丸となった戦いを展開し、失速に区切りを付けた。
もちろん試合を決めたクリーンアップの連続適時打も際立っていた。同点の七回1死三塁から丸が「形はどうであれ、何とか走者をかえしたかった」とエスコバーの156キロ直球を右前へはじき返すV打。鈴木も中堅フェンス直撃の適時三塁打で続くと、松山は右前適時打。打席に入る前には、前日に三上からタイムリーを放っていた新井に三上のスライダーの曲がりについて助言を求めた背番号51は「勝って良かった」と胸をなでおろした。
緒方監督は「負けるべくして負けていた」と連敗を振り返り、「自分たちのやり方ができれば、勝ちにつながってくる。また明日から自分たちの野球を一戦一戦やっていく」と表情を引き締めた。優勝マジックは「7」で、最短Vは19日。ここから、正真正銘のラストスパートをかける。
◆マジック「7」…広島がDeNAに勝利しヤクルトが巨人と引き分けたため、マジックは「7」に。なお、13日のマジック対象はヤクルトと阪神の2チームとなり、結果次第で「7」~「5」となる。優勝は最短で19日。