岡田、復肩8勝目 マジック4導く…CSローテ入りへ6回2失点
「ヤクルト2-4広島」(16日、神宮球場)
広島・岡田明丈投手(24)が6回4安打2失点の好投で、8勝目を挙げた。山田哲、バレンティンの3、4番を完璧に封じるなど、随所で持ち前の剛腕を発揮。昨年は逃したCSローテ入りも見えてきた。これで優勝マジックを2つ減らし「4」。カウントダウンも大詰めに入ってきた。
岡田が持ち味の剛腕を振るい、燕打線を圧倒、チームの勝利、自身8勝目を呼び込んだ。「ストレートがしっかり腕を振れて、変化球も生きたと思います」。納得顔でロッカールームへと歩を進めた。
初回から三者凡退の好スタートを切った。4-0の二回こそドラフト1位・村上に2ランを許したが、そこから崩れない。試合前から内角、力勝負をテーマに掲げていた中、きっちり有言実行を果たした。
主軸を斬ったことも大きなポイントだった。山田哲、バレンティンの3、4番に対し、6打数無安打。「2人を抑えれば失点が少ないデータも出ていた」。この日2度計測した最速151キロは、二回先頭のバレンティンへの見逃し三振と三回2死三塁からの山田哲への空振り三振。抑えるべき相手に力を発揮し、6回4安打2失点の結果を刻んだ。
前回登板の6日・阪神戦から中9日での登板。球速や球種によるフォームのばらつきをなくし、急に崩れる悪癖解消のための登板間隔を活用した。10日には「全部同じフォームで投げられるように。体が開かないように」と、リリースまで同じタイミングで力感を出すことをテーマにブルペン100球以上投げ込むなどの取り組みが、この日の登板に生きた。
CSローテ入りも視界に捉えた。昨年は12勝を挙げたものの、後半に失速。CSファイナルSは降雨中止の影響もあったが、先発は薮田、野村、ジョンソンの3人のみ。ローテに入ることはかなわなかった。「自分のできることを変わらずやって、後々いい結果につながればいい」。シーズン最後まで快投を続け、今季こそはその座を手繰り寄せたい。
緒方監督も「間隔が空いたのもあったかもしれないけど、コントロールを乱すことなく、球に力があった。ナイスピッチングだった」と称賛した。優勝マジックは2つ減らし、「4」で、20日からはマツダスタジアムで9連戦。27年ぶりの本拠地での歓喜の瞬間は、すぐそこだ。