3連覇また持ち越しも…丸 キングに並ぶ37号 20打席ぶり快音で43戦連続出塁
「広島5-7DeNA」(24日、マツダスタジアム)
優勝へのマジックナンバーを「1」としていた広島がDeNAに敗れ、球団史上初のリーグ3連覇はまたしても持ち越しとなった。4点を追う七回、丸佳浩外野手(29)がリーグトップタイの37号2ランを放った。20打席ぶりの快音で連続試合出塁は自身が持つ球団記録の44まであと1と迫った。不振から脱却したチームリーダーが地元胴上げを決める。
真っ赤に染まったマツダスタジアムがため息に包まれた。午後4時42分にDeNAに敗れた後、球場内のビジョンでは中日-ヤクルト戦が中継された。小雨が舞う中、鯉党は胴上げを信じ、祈るように画面を見つめたが…。同5時34分、ヤクルトが中日を下し、優勝決定は持ち越しとなった。
試合後、緒方監督は「選手は最後まで諦めず、今日勝って決めるという気持ちで戦ってくれた。ファンの方も楽しみにたくさん来てくれて申し訳ない」とざんげ。続けて「また明日いいゲームをして勝って決めたい」と気持ちを切り替えた。
優勝へのマジックナンバーは1。DeNAに勝てばリーグ優勝が決まった一戦だった。二回に石原が中越えの適時二塁打、さらに田中にもタイムリーが飛び出し、開場以来最多3万2950人の大観衆はお祭り騒ぎに。だが、直後に先発のジョンソンがソトに逆転3ランを許すと、六回には三塁・西川の失策から追加点を献上。七回にはアドゥワが再びソトに2ランを浴び、スタジアムに悲鳴がこだました。
大一番で先発投手が試合を作れず、守備が乱れた。「投手を中心とした守り勝つ野球」を掲げる中、歯がゆい展開だったが、明るい材料もあった。4点を追う七回だ。2死二塁から丸が右翼スタンドへリーグトップタイの37号2ラン。20日・阪神戦の右中間二塁打以来、20打席ぶりに快音を響かせた。
試合後は「ヒットが出ていないのは分かっていた。状態は悪くなかった。状態うんぬんより仕事ができたのが遅かった」と振り返り「今日(優勝を)決めたかった。たくさん、お客さんが来ていたわけですし。いいスイングが1打席目からできるように準備していきたい」と前を向いた。
球場内には監督らが出席する優勝会見場が用意され、駐車場にはビールかけ会場が完成した。27年ぶりとなる本拠地Vへ準備は万全だ。ヤクルト戦終了後、ナインがグラウンドに出てあいさつすると、ファンからは激励の声援が飛んだ。丸は「明日優勝できるように」とキッパリ。25日こそ広島の街を歓喜に包む。