緒方監督 光ったマネジメント能力 地元胴上げは「夢のような時間」
「広島10-0ヤクルト」(26日、マツダスタジアム)
広島が球団史上初となる3年連続9度目のリーグ優勝。待ちに待った27年ぶりの地元での胴上げが、ついに実現した。
歓喜の輪の中心で、緒方孝市監督が9度、宙を舞う。真っ赤に染まったスタンドで、涙するファンの姿もあった。
優勝インタビューでは感無量の表情。まず、ファンに「絶対マツダで優勝をきめるんだと臨みました。ファンの皆さん!リーグ優勝、3連覇、おめでとうございます!」と祝福した。そして、「最高ですね。先取だけでなく、ファンの皆さんに胴上げしてもらい、夢のような時間でした。ありがとうございました」と感謝を述べた。
「長かったです。苦しかったです」と振り返ったシーズン。圧倒的な強さで3連覇を果たしたが、リーグ防御率は4点台だった。決して盤石な戦力ではなかったが、光ったのは指揮官のマネージメント能力だった。
過去2シーズンで活躍したジャクソン、今村が不調。終盤に逆転される試合が続くと、勝利の方程式を解体。一岡に加え、シーズン途中に育成から支配下に登録されたフランスアをリリーフに配置転換させ、勝ちパターンに組みこんだ。左腕も期待に応え、8月はプロ野球タイ記録の18試合に登板した。
活発な打線にも刺激を与え続けた。強さの象徴だった“タナキクマル”の並びを解体。調子の落ちた田中を下位に落とし、菊池はスタメンから外した試合もあった。急成長を遂げた野間、西川を上位に配置し、得点力を維持し続けた。
「自分たちを信じ、1試合1試合を積み重ねたことが優勝につながった。すごい選手たち。広島に新しい歴史をつくった選手によく頑張った、その言葉しかない」
次はCSだ。DeNAに足元をすくわれた昨年の過ちは繰り返さない。さらに、その先には34年ぶりの日本一が待っている。今季限りの引退を表明したベテラン新井の花道を飾るためにも、緒方カープは頂点を目指して走り続ける。