九里優勝星!魂の熱投8回0封「持っているモノを出すだけだった」
「広島10-0ヤクルト」(26日、マツダスタジアム)
重圧から解放された右腕は、笑顔でベンチを飛び出した。大一番で見せた今季のベストピッチング。広島・九里亜蓮投手(27)が歓喜の瞬間へ導いた。
マジック1から足踏みし、勝てば優勝が決まる登板が巡ってきた。「緊張はなかった。持っているモノを出すだけだった」。気迫を前面に押し出し、打線を乗せた。
四回は連打と四球で無死満塁とされた。それでも大声援が後押しとなった。「攻める気持ちを忘れず投げていこうと思った」。バレンティンに内角攻めを続け、シュートで一飛に打ち取った。
雄平も遊ゴロ併殺に打ち取ると、雄叫びを上げてガッツポーズを繰り出した。8回2安打無失点で8勝目。九回は中崎にマウンドを譲ったが、堂々の勝利の立役者だった。
緒方監督は優勝決定後のインタビューで「今日は九里ですね。今シーズン一番の投球をしてくれた」と称賛。ヒーローは指揮官のねぎらいに「そう言ってもらえてうれしい」。再び笑顔を見せ、勝利の美酒に酔いしれた。