会沢がチームを引っ張った 選手会長としての重圧…新井&石原に感謝
「広島10-0ヤクルト」(26日、マツダスタジアム)
広島が球団史上初となる3年連続9度目のリーグ優勝。待ちに待った27年ぶりの地元での胴上げが、ついに実現した。心が、体が、熱を帯びる。選手会長として初めて酔いしれる美酒。広島・会沢翼捕手が思う存分、喜びに浸った。戦闘モードの勇ましい顔つきはない。仲間とともに、くしゃくしゃの笑顔でかけがえのない時を刻んだ。
若いチームをけん引し、悲願を成し遂げた。今季から背負った重責。「いろいろプレッシャーが働いた」シーズン。緒方監督からは「気負わずやれ」と激励された。遠征時には今季限りで引退する新井やベテランの石原と何度も食事に出掛け、チーム、個人のことを相談。助言を受ける一方で個人個人と食事し、気になったことがあれば積極的に話し掛け、常に目を配り続けた。
「強打の捕手」としての貢献度も計り知れない。厳しい他球団のマーク。死球は2桁を数えたが、屈せずグラウンドに立った。シーズン13本塁打は球団歴代捕手最多。攻守で整理事項が多く、移動と試合が重なる日は新幹線の中でも相手の研究を行った。「仕事だからね」。責任感は誰よりも強い。苦労の日々。家族の時間、2人のまな娘の顔を見ている時間を癒やしに、戦い続けた。
グラウンド内外でまとめ役となった30歳の存在感は絶大。新井からも「もう何年も選手会長をやってほしい」と願いを込められるほどだ。CS突破、日本一へ-。広島にはいつも頼もしい背番号27の姿がある。