これぞ鯉のエース!大瀬良、CS初星6回1失点 炎の六回2死満塁斬り
「セCSファイナルS・第1戦、広島6-1巨人」(17日、マツダスタジアム)
拍手喝采を浴びながら、大瀬良はマウンドを降りた。六回、1点を失い、なお2死満塁も、最後は長野を二飛に打ち取った。「1点で切り抜けられたのが良かった」。最大のピンチを乗り越え、勝利へのバイパスを切り開いた。
データを頭に入れ、大胆に攻めた。初回無死一塁は田中俊の内角を突き二ゴロ併殺打などで無失点発進。1失点後に岡本と対峙(たいじ)した六回1死一、二塁はスライダーで打ち気をそらし捕飛に仕留めた。
「僕はどちらかというと、頭にパンパンに詰め込むタイプ」。シーズン中は枕元に傾向と対策を書いたノートを置いて寝ることがある。会沢と重ねた巨人対策のミーティング。その成果をマウンドで示してみせた。
初回から150キロを連発。パワーピッチャーの迫力も見せつけた。剛球の要因は踏み出した左足の位置だ。結果が出なかった9月中旬は左足が一塁側に寄り体の開きが早くなった。だが本拠地で8回6安打1失点と好投した9月23日のDeNA戦では修正、フォームに手応えをつかんでいた。その試合後、誰もいないマウンドへ。「整備してもらっているグラウンドキーパーにアドバイスをもらうこともあります」。さまざまな角度から助言をもらい頼もしさを増してきたシーズンだった。
第6戦に行けば中4日で先発する可能性はある。「言われたところに、しっかり準備したい」。“開幕投手”を託された右腕が6回5安打1失点でチームに火を付けた。「大地のピッチングに尽きる」。緒方監督の言葉がチームの思いだ。