新井で王手 起死回生!代打同点劇 一振りで空気一変…CSでも逆転の鯉

 「セCSファイナルS・第2戦、広島4-1巨人」(18日、マツダスタジアム)

 “逆転のカープ”が2年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。0-1の八回2死二塁で、代打で登場した新井貴浩内野手(41)が起死回生の左翼線に落とす適時二塁打。これが菊池の決勝3ランを呼んだ。今季限りでの現役引退を表明している新井。「家族」というチームとともに、日本一へ突き進む。

 心の底からわき上がる感情を、新井は抑えることができなかった。二塁塁上でこん身のガッツポーズをすると、広島の夜空に両手を高々と突き上げた。「冷静になってみると恥ずかしいよ」と表情を崩す。0-1の八回に放ってみせた同点適時二塁打。チームの、そして球場の空気を一変させる値千金の一打だった。

 2死一塁から代打で打席に立った。代走・上本が二盗を決め得点圏に進んだ。「崇司がよく走ってくれてスコアリングポジションに行って、またグッと気持ちが入った」。畠の内角低めのフォークを巧みにすくい上げ、左翼線へ運んだ。

 六回まで田口から1安打無得点。七回も畠の前に3者凡退に抑えられた。ベテランの一振りで火が付いた打線は、一挙4点で逆転に成功。緒方監督は「新井の力なんだけど。ファンの声援が乗り移った」と目尻を下げた。

 今季限りで現役引退を表明。ペナント最終戦となった7日のDeNA戦ではナインが特別Tシャツを着用した。胸には「1693三振」「242併殺打」「175失策」と“現役ワースト3冠”の文字が記されていた。

 「それだけ悔しい、つらい思いをたくさんしてきたということ。でも、ミスをしたらうまくなろうと思ってやってきた」。現役引退を決めた今でも「うまくなりたいと思っている」という飽くなき向上心が新井を強くしてきた。

 日本一を目指すチームメートを「家族」という。シーズン前半。極度の不振に陥り、もがき苦しんでいた安部には「過去と他人は変えられない。でも未来と自分は変えられるんだ」と言葉を贈った。何よりも大事にするのは一体感。ときには兄のように寄り添いながら、若い選手を導いてきた。

 1勝のアドバンテージを含め3勝。CS突破に王手をかけた。それでも「余計なこと考えず、あしたの試合も家族一丸となって頑張りたい」と前を見据える。引退表明後、言い続けているのは「少しでもみんなと長く野球をしたい」。新井の夢はまだまだ続いていく。

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