菊池、日本S初本塁打「積極的に行った」 4時間38分の死闘はドロー
「日本シリーズ・第1戦、広島2-2ソフトバンク」(27日、マツダスタジアム)
4時間38分の死闘。延長十二回の戦いは引き分けに終わった。初戦を白星で飾ることはできなかった。それでも広島・菊池が放ってみせた一発は、チームのこれからに勢いをつけた。2度目の日本シリーズ出場、7試合目、そして28打席目で記録した初の本塁打だ。
0-0の初回1死。カウント3-1から高めの直球を振り抜いた。見逃せばボール球だったかもしれない1球。「バッティングカウントだったから積極的に行った」。フルスイングではじき返した打球は、真っ赤に染まる左中間席へ突き刺さった。
ポストシーズンでは攻守で勝負強さが光る。巨人とのCSファイナルS第2戦では決勝弾。二塁守備でも、3試合を通して安定したプレーでチームをもり立てMVPに。その力は、ソフトバンクとの頂上決戦でも持続させている。
初回に2点を奪ったものの2-2の六回一死一、三塁で無得点に終わるなど追加点は奪えなかった。緒方監督は「序盤はこっちのペース。もう1点を奪う攻撃を、自分の中で考えながら次の試合に生かしていきたい」と前を向いた。
34年ぶりの日本一を目指す戦いは、このシリーズを最後に現役を引退する新井の道でもある。菊池が兄貴と慕う背番号25を笑顔で送り出す戦いは始まったばかりだ。