広島先勝!誠也全開ソフト粉砕!3安打3打点 2日がかりデッカい1勝
「日本シリーズ・第2戦、広島5-1ソフトバンク」(28日、マツダスタジアム)
広島がソフトバンクを5-1で下し、対戦成績を1勝1分けとした。勝利に導いたのは、若き主砲の鈴木誠也外野手(24)だ。一回に先制の適時内野安打を放つと、五回には貴重な追加点となる2点適時打。4番が3安打3打点の活躍を演じ、悲願の日本一へ一歩前進した。第3戦は30日にソフトバンクの本拠地ヤフオクドームに場所を移して行われる。
一塁ベース上の鈴木が荒々しく、雄たけびを上げた。3点リードの五回1死二、三塁。バンデンハークのスライダーに反応し、中前へはじき返した。これぞ4番の仕事だ。貴重な追加点をもたらし、勝利を決定づけた。
「甘い球をしっかり振れて良かった。チャンスでうまく対応することができました」
日本シリーズ先勝の立役者だ。初回は2死三塁から助っ人右腕の157キロにバットを当て、遊撃へ高いバウンドの適時内野安打。全力疾走で先制点をもぎ取ると、八回は嘉弥真から左前へ。4打数3安打3打点の大暴れで自身初の日本シリーズ猛打賞だ。
「このシリーズに入って、全打席内容がいい。打席の入り方、考え方がいい状態。継続してやっていきたい」
日本シリーズ第1戦は延長十二回を戦い、2-2のドロー。得点は初回だけで、ソフトバンクの強力救援陣に封じ込まれた。今季順位はパ・リーグ2位とはいえ、昨季日本一王者の力は本物。試合前、鈴木も「強い。ピッチャーがいいですよ」と実感を込めていた。「みんな球が速い。150キロを超えるし、交流戦の時よりも速く感じます」。それでも2年ぶりに味わう大舞台の雰囲気は格別。練習中から「楽しいです」と表情は明るかった。
成長の跡も刻んでいる。初出場した2016年の日本シリーズは6試合で打率・222。「戸惑いがあって、慌てていたこともあった」と振り返る。そうした苦い経験も糧とし、今年は「冷静に入れている。いい方向になっているのかな」と納得顔だ。
若き4番はこの2試合で9打数5安打、打率・556のロケットスタート。緒方監督も「バットがスムーズに出ているし、クライマックスシリーズより状態は上がってきてるなと感じます」と満足そうにうなずいた。
30日からは敵地ヤフオクドームで3連戦。鈴木は「雰囲気にのまれないように、自分たちの野球をしっかりできるようにしたい」と結束を誓った。前夜は4時間30分超のゲームで「疲れましたよ。今日はスピーディーなゲームにしたかった」とニヤリ。1日の休息を挟んで、34年ぶり頂点まで一気に突き進む。
◆先勝有利 過去の日本シリーズでは先勝したチームが68度のうち43度で日本一に輝いており、確率は63%。確率的には広島が優位に立った。広島が先勝したのは1984、86、2016年に次いで、2年ぶり4度目。ただし、これまで日本一になったのは84年の1度だけ。一方、ソフトバンクが先に負けたのは前身の南海、ダイエー時代を含めて、14年以来4年ぶり8度目。これまでは11、14年の2度日本一となり、5度敗退している。