ジョンソン頼もC~7回1失点 シリーズ男だ3戦2勝!防御率0・92
「日本シリーズ・第2戦、広島5-1ソフトバンク」(28日、マツダスタジアム)
マツダスタジアムのマウンドは、ジョンソンのものだった。強打を誇るソフトバンクを相手に、緩急を駆使した投球で翻弄(ほんろう)した。「チームが勝って良かった」と表情を崩す。7回4安打1失点。プラン通りに左腕を振り、勝利への道を切り開いた。
球威、制球とも抜群の安定感があった。三回まで完全投球。先頭・川島への四球から無死一、三塁とした四回は粘り強く投げ得点を許さない。グラシアルを遊直に打ち取ると、柳田も完璧な攻めで仕事をさせなかった。外角中心の投球で左飛に打ち取った二回とは対照的に、ツーシームで内角を突く。カウント1-2からの1球も懐をえぐり、空振り三振に仕留めた。「イシ(石原)がうまくリードしてくれて良い所を引き出してくれた」。4番を封じ、流れを断ち切った。
「投手が試合をつくってくれないかと思っていた。ジョンソンがナイスピッチングをしてくれた」と緒方監督。昨季の6勝から復活を遂げ、今季11勝をマークした左腕の活躍に目を細めた。
2016年の沢村賞投手。日本で輝かしい成績を残してきても、自らの形にはこだわり過ぎない。廿日市市の大野練習場で練習する時には、青木3軍投手コーチにフォームについて助言を求めた。「常に何かを学ぼうとしている」と同コーチ。その姿勢に目尻を下げた。
日本シリーズは3試合に登板し2勝0敗、防御率0・92だ。ポストシーズンで無類の強さを誇るジョンソンは「短期決戦は気持ちが揺らいでしまうといけない。いつもと違う球場の雰囲気が、集中力を高めてくれるのかもしれない」と分析した。米国時代にチームメートだった時期があるバンデンハークに投げ勝ち、日本一を狙うチームを最高の形で福岡へ送り出した。