誠也2打席連発!「食らいついていけた」鯉の底力見タカ…1点差まで猛追
「日本シリーズ・第3戦、ソフトバンク9-8広島」(30日、ヤフオクドーム)
広島・鈴木誠也外野手(24)が日本シリーズ初本塁打を含む連発を放った。六回のミランダ、八回の加治屋といずれも先頭でソロを記録した。チームは3-9から1点差まで追い上げたが及ばず、今シリーズは1勝1敗1分け。ただ打線は16安打8得点を記録するなど活発。好調な4番のバットで連敗阻止を目指す。
日本シリーズの連勝こそ逃したが、4番が意地を示した。初顔合わせのミランダの前に打線が五回までわずか1得点。そんな劣勢ムードを鈴木が吹き飛ばした。3点ビハインドの六回だ。左腕の直球を振り抜き、右翼席へ日本シリーズ初本塁打を突き刺した。
「点を取られた次の回だったので、何とかしたいという気持ちで打席に入りました。しっかり振り抜くことができました」
メモリアル弾は価値ある一発だ。ここから打線が奮起。続く松山が中前へポトリと落とし、ミランダを降板させると、2番手・高橋礼から野間、会沢の連打で2得点。今季逆転勝ち41回を記録した粘り強さは日本シリーズの大舞台でも健在だ。
投手陣が踏ん張れずビハインドは6点まで開いたが、再び鈴木が鯉党を沸かせた。八回先頭で打席に立ち、セットアッパー加治屋の直球を強振。左翼のホームランテラス席へ2打席連続弾を放り込み「自分のスイングでしっかり捉えることができました。何とか点につながって良かったです」と振り返った。
鈴木の連発で再び打線が勢いづいた。バティスタの日本シリーズ初安打などで1死満塁とすると、安部も右越えに満塁本塁打。ベンチの鈴木はバンザイ。跳びはねて大喜びした。
ヤフオクドームは相性のいい球場だ。交流戦では通算6試合に出場し、打率・318、3本塁打、5打点。29日の移動日には「やってみないと分からない」と冷静に話したが、本番ではさすがの集中力を発揮した。
敵地で日本シリーズ初黒星を喫し、対戦成績は1勝1敗1分けのタイとなった。打線はシリーズ1試合球団記録の16安打。1点を追う九回も守護神・森を攻め、2死一、三塁の好機を作った。緒方監督も「すごい集中力、選手の頑張り」とたたえる粘り腰だった。
「最後までギリギリのところまでいけた。簡単に勝たせるのではなく、食らいついていけた。あのまま負けていたら相手に勢いが付いた」と鈴木。悲願の日本一へ、カープの底力で連敗阻止だ。