新井、逆襲日本一「まだまだかわいい後輩たちと戦いたい」大瀬良中継ぎも
「日本シリーズ・第6戦、広島-ソフトバンク」(3日、マツダスタジアム)
広島・新井貴浩内野手(41)が2日、博多から広島に戻り、逆転日本一へ逆襲を誓った。不動の3番・丸佳浩外野手(29)は本拠地で戦えるメリットを強調。投手陣の大黒柱である大瀬良大地投手(27)は今後の中継ぎ登板へ意欲を示した。現在1勝3敗1分け。前夜のサヨナラ負けのショックを振り払い、地元ファンと共に巻き返しを狙う。
傷ついたナインを励ます温かい声援が広島駅に響いた。
「明日は勝って!」
「日本一頼むよ!」
敵地で3連敗を喫しても、ヤジや罵声は一切なし。地元ファンは優しかった。逆転日本一に向け、博多から広島に戻ってきたナインが、決意新たに巻き返しを誓った。
新井「ビジターでもすごくファンに来ていただいたけど、ホームでもすごい歓声を味方にして、明日の試合に臨みたい。ただ負けたくないという気持ちです」
広島駅には早朝からファンが集まり、午前11時過ぎには新幹線乗り場に続くエスカレーターの下から、改札の外にかけて100メートルの列ができた。担当者は「こんなに多いと思わなかった」と急きょパーティションを準備。総勢30人で警備にあたった。同担当によると、昨年甲子園でリーグ優勝を決めた翌日に凱旋した時のような盛り上がりだったという。
丸も本拠地に戻って「(流れが)変わればいいですね」と話し、鯉党へ「後押ししてほしい」と呼びかけた。前日には一時逆転となる2ランを放つなどシリーズ序盤の不振から脱出。「この期間は調子うんぬんじゃない。今まで自分がシーズン中からやってきたことを出せるように頑張るしかない」と静かに闘志を燃やした。
第5戦に先発した大瀬良も大黒柱の心意気を示す。前夜はプロ初の中4日で、五回途中3失点の粘投。第7戦以降は中継ぎ待機する可能性もあり「もちろん準備します。気持ち的には、明日も投げるつもりでいました。中2日?大丈夫です」と言い切った。
ここまでシリーズは1勝3敗1分け。新井の現役引退までのカウントダウンも静かに進んでいる。「まだまだかわいい後輩たちと戦っていたい。何打席あるか分からないけど、最後の最後まで思い切ってプレーしたい」と真剣なまなざしで語った。今シリーズは代打で計3打席に立ち無安打。千両役者が打てばきっとムードも変わるはず。プロ20年目の集大成。最後まで後輩たちと夢を追いかけ、成就させる。