新井、鯉党に戻る 日本一の夢は後輩に託して「応援している。みんなをね」

 今季限りで現役引退した広島・新井貴浩内野手(41)が4日、マツダスタジアムを訪れ、後輩たちへ日本一の夢を託した。現役最後となった今年の日本シリーズは、ソフトバンクに1勝4敗1分けで敗退。一夜明けて悔しさは残るものの、今後はカープファンとして後輩の活躍を見守っていくつもりだ。

 日本シリーズ敗退から一夜明け、新井が所用でマツダスタジアムに姿を見せた。「何もないよ。もういいだろう?オレは昨日で終わったんだから」と言いつつ、群がる報道陣の前で心境を語った。

 「1日だから何も変わらないね。何も変わらない。昨日の今日だからもちろん、悔しさはあるけどね」

 現役最後のシリーズは「家族一丸」で頂点を目指したが、ソフトバンクの前に1勝4敗1分けで敗退。自身の現役最後の打席は2点を追う八回先頭に代打で登場し、遊ゴロに倒れた。「打てなかったけどね、感謝したい。たくさん声援をいただいて」。その後は慣れ親しんだ一塁守備に就いてファンへ最後の雄姿を届けた。最後までベンチから身を乗り出して声を張り上げ、逆転勝利を信じていた。

 試合後のクラブハウスではナイン一人一人と握手を交わしたという。来季からは再びカープファンとして、後輩たちの活躍を見守るつもりだ。「カープの選手からカープファンに戻ったわけだから。応援している。みんなをね」と夢を託した。

 古巣広島に復帰して4年が経過した。その間、チームはリーグ3連覇を達成。野手では田中、菊池、丸、鈴木が球界を代表する選手に成長し、今季は野間、西川、バティスタら若い選手もリーグ制覇の力となった。その姿が何よりうれしく、そして頼もしく感じられた。だから、ラストメッセージは必要ない。

 「今さら自分が何も言わなくてもみんな素晴らしい選手だから。何も言わなくても大丈夫。来季の日本一?もちろん応援している」

 そんな新井に球団は改めて「セレモニー」を予定していることを明かした。新井の現役最後の打席を「涙が出るから、見ないようにした」と振り返った松田オーナーは「どこかでみんなの前に出る機会を作らないといけない」と説明。詳しい日時は未定だが、再び新井の声を聞けそうだ。

 前夜まで激闘を繰り広げたスタジアムにはどこかさみしい雰囲気が漂っていた。来季こそ日本一へ。後輩たちが悲願成就してくれると新井は信じている。

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