エルドレッド、さらば! 来季も日本でのプレーを希望
広島は14日、ブラッド・エルドレッド内野手(38)と来季の契約を結ばないことを発表した。球団助っ人史上最長の在籍7年目となった今季、過去最少の38試合出場で打率・213、5本塁打、14打点に終わったが、エルドレッドは来季も日本球界でのプレーを希望している。
カープファンに愛された助っ人が広島を去る。首の検査のため、9月下旬に帰国したエルドレッドの退団が決まった。鈴木球団本部長は「長く貢献してくれたけど、外国人枠を含めて(来季は)難しい。うちにすごく愛着を感じてくれていて、彼も心を痛めていた」と沈痛の表情で語った。
来日7年目の今季は苦しい1年だった。開幕戦こそ「6番・一塁」でスタメン出場したものの、徐々に出場機会は減り、後半戦は1軍出場なし。38試合出場で打率・213、5本塁打、14打点。8月には「さみしい。自分の現状を知りたい」と漏らし、緒方監督と話し合いの場を持ったこともあった。
“カントリー”の愛称で親しまれ、黄金期の礎を築いた。12年の6月に来日し、11本塁打を放つと、14年は37本塁打でタイトルを獲得。球団助っ人最長の7年間で通算577試合に出場、打率・259、球団外国人歴代2位の133本塁打、370打点の成績を残した。パワフルな打撃だけでなく、精神的支柱としてもチームに貢献。野球に真摯(しんし)に向き合う姿勢は、チームメートからの評価も高かった。
鯉党にも愛された。大柄な体で広島の町を“ママチャリ”で疾走する姿が人気で、複数のCMに出演中。今年は自伝も出版した。松田オーナーも「地域社会に溶け込んで、すばらしい人柄だった。非常にさみしいと思っている」と残念そうに話した。
エルドレッドは来季も日本球界でのプレーを希望しているという。球団にとっては功労者なだけに、鈴木本部長は「どこかでやるかもしれないし、やりたいという意思もあったので、チャンスがあればチャレンジしてほしい」とエールを送った。
9月に帰国した際、エルドレッドは来季について「まだできるという気持ちが自分の中にある」と熱い言葉を残していた。2軍戦で打率・323、5本塁打をマークするなど、自慢のパワーはまだまだ健在だ。現役続行の夢をかなえ、もう一度、広島に帰ってくる。