誠也 レジェンド前田から引き継ぐ背番号「1」若き4番からチームの顔へ
広島は19日、鈴木誠也外野手(24)の来季背番号を「51」から「1」に変更すると発表した。前田智徳氏が2013年限りで現役を引退して以降、空き番号だったが6年ぶりに復活する。鈴木はチームの主軸として、リーグ3連覇に貢献。球団も働きを高く評価した。若き4番は伝統を継承する覚悟と期待に応える決意だ。
鈴木が伝統の背番号1を継承する。若き4番からチームの顔へ。チームの主軸に成長を遂げた男は「うれしいです」と喜びを語り、「1」を背負う責任感と自覚を口にした。
「カープの中で伝統のある番号だと思う。数字で野球をするわけではないですけど、周りの期待は今年以上になると思う。それに応えられるようにしっかりとやっていきたい」
鈴木にとって背番号1のイメージは「前田さん」。通算2119安打を誇り、「孤高の天才」と称された伝説の打者だ。球団は前田氏本人の了承も得ているという。
鈴木が前田氏と一緒にプレーしたのはプロ1年目の13年だけ。それでも「1」の重みは理解している。「いつまでつけられるか分からない。成績がダメなら変えられてしまう」と言い切り、「ずっとつけていられるようにやれたらいいと思う」と覚悟をにじませる。
これまで背番号1にふさわしい成績を残してきた。プロ6年目の今季は124試合に出場し、打率・320、自己最多30本塁打、94打点。4番としてチームをリーグ3連覇に導き、日本シリーズでは敢闘賞にも輝いた。
球団もその働きを高く評価した。鈴木球団本部長は「重みのある番号。この背番号を背負えるのは誠也しかいない。3年間、安定した成績を残している」と説明。現在の「51」は出世番号という認識で一致しており、今後もスター候補生が継ぐことになりそうだ。
鈴木は9日に昨年の手術箇所である右足関節の抜釘手術を受け、この日午前中に抜糸を終えた。マツダスタジアムでは治療に専念。年内には打撃や走塁も解禁となる見込みで、表情も明るかった。
「抜糸をしたので、少しずつやれることは増えてくる。11月は汗をかいてはいけなかった。動けなくてゆっくりしたので12月はしっかり動いて鍛え直します。トレーナーと相談してやっていきます」
向上心あふれる男はどこまでもどん欲だ。カープの伝統を引き継ぎつつ、背番号1を鈴木色に染め上げる。