新井から「家族」へ最後のメッセージ まるで父親「ご飯しっかり食べろよ」
今季限りで現役引退した広島・新井貴浩内野手(41)が24日、後輩たちへラストメッセージを送った。広島市内の護国神社で行われたお礼参りに参加。再会したチームメートへ思いをつづった。来年3月のオープン戦で実施予定の引退セレモニーで着用する可能性もあるが、背番号25のユニホーム姿はこの日でひとまず“見納め”。日本一の夢を託し、自身は恒例の護摩行を来年以降も行い、勝負師の精神を磨き続ける。
“最後のユニホーム姿”も感傷に浸ることはなかった。現役引退して20日あまり。新井は「自分の家でも着ようと思ったら着られるからね」と笑い、「まだ引退した実感はない。2月1日にユニホームを着ていなかったら、実感するんじゃないかなあ」と遠くを見つめた。
朝からバスに乗って神社を参拝した。久々にナインと顔を合わせ雰囲気の良さを確認。「みんな技術も考え方も素晴らしい。自分さえ良ければいいじゃないから。フォア・ザ・チーム、自己犠牲。それがチームのいい雰囲気につながっている」と黄金期継続を確信した。
新井は「今のままやってもらったら十分」とうなずく一方、「みんなかわいいから心配もある」と言う。それは「ケガするなよ、風邪ひくなよ、ご飯しっかり食べろよとか」。小さな心配事は尽きないが「ファンの方と一緒に応援したい」と日本一を後輩に託した。
前夜は名球会イベントの前夜祭に参加するなど、引退後は充実の日々を過ごしている。オフのトレーニングも封印し「朝起きたら筋肉痛がないのは楽」と笑う。それでも苦行は継続すると宣言した。「護摩行は続ける。ずっと続けていく。夏はもっときついらしいからね」と言い切った。
「心が洗われる。そういうものから逃げずに継続しないと心にほこりがたまるから」。来年は真夏には一人、炎と向き合う。ユニホームを脱いでも、心は勝負師のままだ。己を律して、後輩たちの奮闘を見守っていく。