丸、球団初の2年連続MVP「非常に光栄」 FAは11月中に決着か
「NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD」が27日、東京都内のホテルで開催され、セ・リーグの最優秀選手(MVP)に広島の丸佳浩外野手(29)が2年連続で選ばれた。球団では9度目(7人)で、2年連続受賞は球団史上初めて。3年連続ベストナイン、最高出塁率のタイトルにも輝いた屈指のバットマンが、また一つ球団史に足跡を残した。
スポットライトが照らす先に丸がいた。パ・リーグのMVPに選ばれた西武・山川と握手を交わすと、自然と表情は崩れる。球団史上初となる2年連続の最優秀選手。また一つ球団史を塗り替えた。
「非常に光栄です。まさか自分が2年連続で受賞できるとは思っていなかった。うれしい気持ちがある一方で、びっくりした気持ちがあります」
125試合で打率・306、39本塁打、97打点、出塁率・468。2位の大瀬良に832点差をつける断トツの得票。リーグ3連覇を成し遂げたチームを攻守においてけん引したことが評価された。
悔しさを力に変えた。悪夢は4月28日の阪神戦(マツダ)。ダイビングキャッチ時に右太もも裏を肉離れ。翌29日に出場選手登録を抹消され、13年5月20日からの連続試合出場は「700」で止まった。「離脱した分を取り返そうという思いで戦った」
6月8日の楽天戦では本塁打を含め2安打2打点。守備では三回、中前へ落ちそうな打球に飛び込み好捕した。「ケガをした場面が頭をよぎった。うまく処理できて、ここからいけるんじゃないかと思った」。その後は驚異的な数字を残し、チームを前へ、前へ推し進めた。
安打だけではない。シーズン四球数130は王貞治に並ぶ歴代4位タイ。出塁率も歴代8位だ。「自分の持ち味。良い数字が残せた」。結果が出ても出なくても一喜一憂せず「フラットな精神状態」でグラウンドに立ち続けたたまものだ。
3年連続でベストナインを受賞。最高出塁率にも輝いた。球界屈指のバットマンは今季取得した国内FA権を行使した。ロッテ、巨人との交渉を終え、広島残留を含めた選択で揺れている。決断はまだか?の問いに「はい」と返答した。29日にはゴールデングラブ授賞式に出席する。それを一つの区切りとして、月内にも決断を下すとみられる。
この日、授賞式後の記者会見で残留か移籍か決まっていない来季について問われると「僕自身、器用な選手ではない。不器用なりに全力プレーでチームに貢献したい」と言った。その動向に球界全体が注目している。